BPMツールとは、Business Process Managementの略称で、業務プロセス管理を実現するためのソフトウェアのことです。BPMツールは「BPMS(BPM Software/BPM Suite)」とも呼ばれており、業務プロセスを管理し、各プロセスの可視化や改善を支援することを目的としています。本記事ではBPMツールの概要、基本機能、選び方について解説した上で、おすすめのツール11選を紹介します。
- 1 BPMツールを導入するメリット
- 2 BPMツールの基本機能
- 3 BPMツールの選び方
- 4 おすすめのBPMツール11選
- 4.1 受注から納品までのプロセス管理-octpath
- 4.2 あらゆる業務プロセスを管理・見える化-BP Director
- 4.3 業務の一連のプロセスを可視化-intra-mart
- 4.4 PDCAに必要な要素をすべて見える化-DataSpider BPM
- 4.5 人の知的判断業務を自動化-Progress Corticon
- 4.6 業務を可視化-Ranabase
- 4.7 システム全体で作業を自動化-Process Street
- 4.8 勤務実態と作業内容を見える化-MITERAS
- 4.9 ローコード・ノーコード作業プラットフォーム-Kissflow
- 4.10 ビジネスワークフローを数分で設計-Pipefy
- 4.11 クラウド型の業務プロセス管理システム-Questetra BPM Suite
- 5 BPMツールは自社の業務に合ったものを選び、業務フローも見直そう
BPMツールを導入するメリット
BPMツールを導入する最大のメリットは、業務を可視化し、全体最適化を実現できることです。どの部門がどの業務に着手しているのか、進捗はどうなっているか等を細かく把握できるので、業務プロセスのボトルネックを発見しやすくなります。また、可視化だけでなく、パフォーマンスやワークフローの分析や進捗管理を行うことで、継続的な業務プロセスの改善を可能にします。それゆえ、BPMツールを導入すると、属人化している業務の標準化、業務プロセス全体の見直しができるといえるでしょう。
BPMツールの基本機能
ここからはBPMツールの基本機能について解説します。
モデリング機能
モデリング機能とは、業務プロセスをデータ化し、可視化する機能のことです。業務プロセスを、ワークフロー図のような直感的なGUI(グラフィカルインターフェース)に落とし込み、どの組織がどの業務を実行するのか、どのように処理するのかなどを見える化します。細かい部分まで可視化することで、業務プロセスの変更、組み換え、再設計が可能となります。
シミュレーション機能
シミュレーション機能とは、設計・変更した業務プロセスを実行した場合、どのような影響があるのかを分析・予測する機能のことです。実際、どのように目標が達成されるか、再設計した業務プロセスに問題はないか等、動作予測が可能となります。
モニタリング機能
モニタリング機能とは、新しい業務プロセスの稼働状況や影響を監視する機能です。モニタリングによって得た情報をもとに、適切なPDCAサイクルを回していきます。仮に、モニタリング中に問題点が見つかれば、そのたびに改善策を検討して実行します。
ワークフローシステムと共通する機能
ワークフローシステムと共通する機能は、ワークフロー機能とフォーム生成機能です。ワークフロー機能とは、あらかじめ決められたタスク処理者にフローを譲渡する機能のことです。フォーム生成機能とは、適切な入力フォームを作成する機能のことです。その他にも、ドキュメント管理機能やデータ連携機能などが共通しています。
BPMツールの選び方
BPMツールを選ぶ際、まずは、業務プロセスの変更に対する柔軟性が高いかどうかを確認しておきましょう。BPMでは、既存の業務プロセスの分析・改善を繰り返すからです。また、既存システムとの連携が可能か否かも確認しておくことをおすすめします。既存システムと連携が取れないと、業務プロセスの変更のたびに時間とコストがかかり、対応スピードが遅くなる可能性があります。さらに、個々のスキルに左右されない操作性の高さも重視すべきでしょう。プログラミングなどの専門スキルがない人でも対応できるBPMツールを選ぶことで、一般社員でも操作可能となります。
おすすめのBPMツール11選
ここからは、おすすめのBPMツールを紹介します。
受注から納品までのプロセス管理-octpath
octpathは、クラウド型のプロセスマネジメントツールです。受注・契約からサービス提供・納品までの作業をフロー形式で管理することで、業務効率化・コスト削減を実現できます。
ポイント
- 作業結果のチェックや作業ナビゲーション、情報共有などが自動で行われる
- Google Docs、YouTube、Figmaなど外部サービスの情報をマニュアルに埋め込める
- スタンダードプラン(1ユーザーあたり):月額1,650円(税込)※15日間の無料トライアルあり
株式会社テクノデジタル
octpath(オクトパス)は、定型業務をプロセスとして管理するクラウド型のプロセスマネジメントサービスです。業種や業界を問わず、定型業務の「マニュアル」「進捗状況」「作業の記録」を一元管理し、業務の見える化と効率化を実現します。
あらゆる業務プロセスを管理・見える化-BP Director
BP Directorは、あらゆる業務プロセスを管理・見える化し、継続的な改善までサポートする業務プロセス管理製品です。時間軸を持つガントチャート形式で業務プロセスを管理できます(ワークフロー形式による業務プロセスの管理も可能)。
ポイント
- いつ、誰が、どのような処理をしたかがリアルタイムで可視化できる
- 自社独自の業務規則もビジネスルールとして柔軟に設定・反映できる
- 料金プランに関しては要問い合わせ
アシストマイクロ株式会社
BP Directorは、ビジネスプロセス管理(BPM)を実現するためのソフトウェアです。業務プロセスの設計、実行、監視、最適化を一元的に行うことができ、企業の業務効率化や業務改善を支援します。特に、業務プロセスの可視化に優れており、業務の進捗状況やパフォーマンスをリアルタイムに把握することが可能です。
業務の一連のプロセスを可視化-intra-mart
intra-martは、さまざまな業務の一連のプロセスを可視化し、経営目標やビジネス戦略を効率よく実現する業務プロセス管理ツール・サービスです。2022年11月下旬時点で、8,900社以上の導入実績があります。
ポイント
- ワークフロー・ローコード開発・BPMを組み合わせたツール
- 研修や支援コンサルティングサービスなどトータルサポートを提供
- 料金プランは要問い合わせ(無料ダウンロード版あり)
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート
イントラマートは、業務プロセスの効率化を実現するためのBPMツールです。業務フローの自動化、業務の可視化、業務改善のための分析機能など、企業の業務プロセスを全面的にサポートします。
PDCAに必要な要素をすべて見える化-DataSpider BPM
DataSpider BPMは、業務プロセスのモデル化から業務の進捗、処理状況、ボトルネックまで、PDCAに必要な要素をすべて見える化するワークフローシステムです。ワークフローの承認条件の設定・処理をドラック&ドロップでできます。
ポイント
- ノンプログラミングで自社向けにシステム開発や変更がスピーディーに可能
- ワークフロー定義、モニタリング、ログ管理機能、EAI連携などが搭載
- ユーザーパック50:1,000,000円(税別)、ユーザーパック100:1,500,000円(税別)
株式会社 セゾン情報システムズ
DataSpider BPMは、業務プロセスの効率化を支援するツールです。複雑な業務フローを視覚的に設計し、自動化することで、業務の効率化と品質向上を実現します。特に、人間が関与する業務プロセスの自動化に強みを持つため、人的エラーの削減や業務のスピードアップを実現します。
人の知的判断業務を自動化-Progress Corticon
Progress Corticonは、チェックや分類などの人の知的判断業務を自動化するAIのデファクトスタンダード製品です。2022年11月下旬時点で、500社以上の導入実績があります。
ポイント
- ビジネスを遂行する上で不可欠なディシジョン(決定・判断)を自動化させる
- 不正検知やマーケティング、集金、資産管理、コンプライアンスなどの業務改善が可能
- 料金プランは要問合わせ(90日間無料で試せる体験版あり
株式会社アシスト
Progress Corticonは、ビジネスルール管理システムの一つで、ビジネスルールを効率的に管理し、ビジネスプロセスを最適化することを目指すサービスです。
業務を可視化-Ranabase
Ranabaseは、業務改善コンサルティングのノウハウから生まれた無料のフローチャートツールです。ツールによって業務を可視化し、継続的に改善する方法をチームで共有できます。
ポイント
- 既存の記述法とテンプレートで描き方を統一し、迅速にチームに共有できる
- オンボーディングガイド機能によって初心者でも直感的に操作可能
- フリープラン:無料、パーソナルプラン(1ユーザーあたり):月額550円(税込)
株式会社ユニリタ
Ranabase(ラーナベース)は、業務フローを視覚化するためのフローチャートツールです。業務フローの作成者(編集者)と閲覧者の2つのユーザータイプに対応しており、それぞれのユーザー数に応じた料金設定が特徴です。
システム全体で作業を自動化-Process Street
Process Streetは、シンプルかつ無料で利用できるプロセスワークフロー管理ツールです。システム全体で作業を自動化し、複雑な条件や高度な承認、細かい許可についても対応できます。
ポイント
- ワークフローテンプレートを活用してノーコードでワークフローを構築できる
- SlackやMicrosoft Teamsなど、3,000以上の外部アプリと連携可能
- フリープラン:無料、プロプラン:月額25ドル
Process Street
Process Streetはビジネス向けのチェックリストとワークフローソフトウェアです。繰り返し発生するプロセスや標準的な業務手順を瞬時に作成し、追跡、自動化、完了することで、プロセスを効率化し、改善することができます。AIを活用したワークフローデザインは、生産性と成長を推進するためのビジネスの独自の運用ニーズに適応します。
勤務実態と作業内容を見える化-MITERAS
MITERASは、スタッフ一人ひとりの勤務実態と作業内容を見える化するマネジメント課題解決ツールです。2022年11月下旬時点で、累計63,000人以上の導入実績があります。
ポイント
- 在宅勤務やテレワーク時の勤務時間や隠れ残業、仕事量の偏りなどの把握に役立つ
- ソフトウェア利用状況やユーザー動作状況を確認できる
- 料金プランに関しては要問合わせ(1ヶ月の無償トライアルあり)
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
MITERASは、パーソルプロセス&テクノロジーが提供する業務改善支援ツールです。業務フローの可視化を通じて、業務改善や業務効率化を実現します。特に、業務プロセスの見える化により、無駄な業務を削減し、業務の効率化を図ることが可能です。
ローコード・ノーコード作業プラットフォーム-Kissflow
Kissflowは、ローコード・ノーコード作業プラットフォームです。2022年11月下旬時点で、世界160ヵ国以上の10,000社以上の企業で利用されています。1つのプラットフォームですべての作業に対応できます。
ポイント
- アプリを最初から設計するか、テンプレートを使用するかのいずれかから選べる
- カスタムワークフローを構築し、反復可能なプロセスは自動化できる
- スモールビジネスプラン:月額10ドル、コーポレートプラン:月額20ドル
Kissflow Inc
Kissflowは、ビジネスプロセス管理(BPM)ソフトウェアです。このソフトウェアは、ビジネスプロセスの設計、追跡、監視、分析、そして効率の改善を可能にします。また、Kissflowは、ノーコードツールを使用して直感的に操作でき、ITチームの負担を軽減し、ビジネスリーダーを強化します。
ビジネスワークフローを数分で設計-Pipefy
Pipefyは、ビジネスワークフローを数分で設計および自動化できるプラットフォームです。ファイナンスや人事、カスタマーサービス、財務、ITなどの幅広い場面で活躍します。
ポイント
- プロセスのすべてのステップを自動的にレポートしてくれる
- SlackやMicrosoft、Salesforceなどの外部サービスとも統合可能
- スタータープラン:無料、ビジネスプラン:月額19ドル、エンタープライズプラン:月額32ドル
Pipefy
Pipefyはビジネスプロセス管理(BPM)ソフトウェアで、日々の業務プロセスを追跡、管理、改善するための最速かつ最も簡単な方法を提供しています。手動のプロセスや紙のトレイル、失われた情報などが追加の作業を生み出し、プロセスの遅延を引き起こします。
クラウド型の業務プロセス管理システム-Questetra BPM Suite
Questetra BPM Suiteは、クラウド型(SaaS)の業務プロセス管理システムです。ドラック&ドロップでワークフローシステムをノーコードで開発できます。
ポイント
- 作成済みテンプレートをインポートすることで、即時にワークフローを構築できる
- 仕事の受け渡し、社内コミュニケーション、業務状況の可視化などが可能
- ベーシックプラン:960円、アドバンスドプラン:2,400円
株式会社クエステトラ
Questetra BPM Suiteは、ビジネスプロセス管理(BPM)をクラウドで提供するサービスです。業務フローの自動化や効率化を実現し、ビジネスパーソンの業務を支援します。特に、業務プロセスの可視化や業務改善、業務の標準化などに強みを持つサービスで、中小企業から大企業まで幅広いターゲットに対応しています。
BPMツールは自社の業務に合ったものを選び、業務フローも見直そう
今回は、BPMツールの概要、基本機能、選び方、おすすめのツールを解説しました。BPMツールを導入する際には、自社の業務に合ったものを選び、業務フローから見直すことが重要です。本記事を参考にしながら、自社に最適なツールを見つけてみてください。