メールマーケティングツールとは、メールによるマーケティング活動を支援するツールで、導入すれば業務の効率化やコスト削減、収益・業績アップなどにつながります。MAツールほど機能は充実していないものの、シンプルな機能なので使いやすく、デジタル関連のリテラシーが低くても使いやすいツールです。本記事では、メールマーケティングツールとMAツールの違いやメールマーケティングツールの機能、上手な選び方、おすすめのツールなどを解説します。メールマーケティングツールの導入を検討しているなら、ぜひ参考にしてください。
メールマーケティングツールの主な機能
メールマーケティングツールとは、メールを活用して行う、マーケティング施策を自動化・効率化するツールのことです。メールで顧客とコミュニケーションを取り、購買意欲の醸成や問い合わせ・購入などの行動喚起を行うメールマーケティングは、一度に大量の顧客にアプローチできる重要なマーケティング手法です。これらの施策をツールで効率化することで、業務負担の軽減につながり、業績アップも期待できるでしょう。メールマーケティングツールの主な機能としては、以下が挙げられます。
メールの作成と送信、ターゲティングなど
メールの作成・送信はメールマーケティングツールの基本的な機能です。HTMLメールの作成や大量送信・一斉送信・予約送信のほか、ターゲティング配信などが自動でできます。また、顧客の状況に合わせてフォローアップメールを贈るステップメールや、ユーザーの行動をきっかけにして配信するリターゲティングメールなどの設定も可能です。
配信結果の分析、レポート作成
メールマーケティングツールのなかには、メールの開封率やメール内URLのクリック率、コンバージョン率などを自動分析して可視化する機能も備わっているものもあります。A/Bテストや分割URLテストなどを実施できるツールもあるので、用途に合わせたツール選びが重要です。
管理機能
メールリストの作成・管理も、メールマーケティングツールの重要な機能です。メールアドレス変更や退会による削除などを自動化し、人手による手間を削減します。また、部署を超えて一元管理することで、情報共有や業務効率化が実現します。
メールマーケティングツールとMAツールの違い
MAツール(マーケティングオートメーションツール)はメール配信だけではなく、マーケティング業務全般に対応したツールです。顧客の属性や行動履歴などを管理・分析して、それぞれに適したマーケティングアプローチを効率化できます。見込み客の育成やセグメントなどに適しており、メールマーケティングツールよりも詳細な情報管理や分析が可能です。一方、メールマーケティングツールは、メールによるマーケティング施策を効率化するツールです。メール業務に特化しているため、MAツールほどの機能が必要ない場合や、デジタル関連のリテラシーが高くない場合には、メールマーケティングツールの方が使いやすいといえます。
メールマーケティングツールの選び方
ここからは、自社に合ったメールマーケティングツールを上手に選ぶ方法を解説します。
メール配信ツールかMAツールかを決める
最初にメールマーケティングに特化したツールにするのか、多機能なMAツールにするのかを決めます。自社の目的が詳細な顧客管理や見込み客育成ならば、MAツールの方がおすすめです。また、ほかの営業管理ツールなどと連携したい場合も、MAツールの方が有用でしょう。ただし、MAツールの方がメールマーケティングに特化したツールよりも高価になるので、予算も含めて吟味するとよいでしょう。
MAツール(マーケティングオートメーションツール)とは、リードの獲得や育成などを自動化することにより、マーケティング活動の効率化を実現するツールです。めまぐるしく変化する消費行動やビジネス環境において、人手を駆使した従来のマーケティング手法[…]
効果測定ができるツールを選ぶ
メールマーケティングはメールを送って終わりなのではなく、行った施策の効果検証を行い改善策を実施するPDCAをしっかり回すことが重要です。メールマーケティングツールもA/Bテスト機能や分析・レポート機能が充実している方が、効率的で効果的な施策を実施できることでしょう。
価格と配信数で選ぶ
メールマーケティングツールの価格は、一般的にサービス利用中の月額費用を支払います。毎月の料金は配信数や登録顧客数の違いによって設定されていることが多く、自社に必要な配信数と価格を見比べて選ぶことが重要です。そのほか初期費用がかかるツールもあるので、事前に確認をするようにしましょう。
サポートの充実さで選ぶ
ツールの導入時のフォローや導入後の問合せなどにしっかりと対応してくれる、サポート体制の充実度も重要な選択ポイントの1つです。またメールマーケティングツールは海外製のものが多く、日本語のサポートがないものもあるので注意しましょう。
おすすめのメールマーケティングツール8選
ここからは、メールマーケティングツールの中でおすすめの8つを紹介します。
配配メール
「配配メール」は、株式会社ラクスが運営する配信、効果測定、改善、管理まですべてのメールマーケティングをワンストップで行えるツールです。10,000社を超える導入実績があり、HTMLメール作成、ステップメール、A/Bテストなど充実した機能が備わっています。
ポイント
- 操作画面がシンプルでわかりやすい
- 導入前後のていねいなサポート体制で初めての導入でも安心
- 配信アドレス数に応じた4つの料金プラン。要問い合わせ
ブラストメール
「ブラストメール」は、株式会社ラクスライトクラウドが提供するメールマーケティングツールで、低価格ながらメール配信に必要な機能がすべて揃っているのが特徴です。官公庁や学校・社団法人、中小企業から大手企業まで幅広く導入されており、契約社数18,000社を誇るメール配信業界シェアNO.1のツールです。
ポイント
- 11年連続顧客導入数シェアNO.1
- 1時間に280万通を配信できる高速配信やターゲット配信などが可能。API連携あり
- 3,000円~/月。7日間無料トライアルあり
メールワイズ
サイボウズ株式会社が提供する「メールワイズ」は、メールマーケティングの基本的な機能を月額500円で利用できるサービスです。メールの送信、分析だけでなく、顧客とのメールのやりとりの共有やお問い合わせメールへの対応を管理できるなど、さまざまな機能を搭載しています。
ポイント
- 業界や業種問わず約12,000社以上の企業で導入
- 問い合わせ対応も充実しており、セミナーなども定期的に実施
- 500円~/月。30日間無料トライアルあり
Mail Publisher
エンバーポイントホールディングス株式会社が運営する「Mail Publisher」は、4,100万通/時という圧倒的な配信性能と、月間70億通を超えるメール配信の実績を誇るツールです。MA・CMS・BIツールなどと連携が可能なほか、APIを用いて自社サービスとさまざまな連携ができる点が大きな魅力です。
ポイント
- 約2,000件のナレッジ記事や解説動画で手厚くサポート
- 金融機関や大量の個人情報を扱う大手企業も認めるセキュリティの高さ
- 料金は要問い合わせ
Cuenote FC
「Cuenote FC」はユミルリンク株式会社が提供するメールマーケティングツールで、1,000万通/時の配信速度と40億通の累計配信実績を誇ります。初心者でも直感的に操作ができ、配信設定が最短3STEP・20秒で完了できる利便性の高さが特徴です。
ポイント
- 業界トップクラスの配信速度と実績
- デバイス別配信機能や自動CSVインポート機能を備えている
- 5,000円~/月、初期費用30,000円~
Benchmark Emai
「Benchmark Emai」は、Benchmark社が提供する米国発祥のメールマーケティングツールです。世界で約50万社が利用しており、HTMLメール、セグメント配信、ステップメール配信、ABテスト、ランディングページ作成が可能です。
ポイント
- 500種類以上のメルマガ用デザインテンプレートあり
- 無料版でもステップメール配信機能が利用できる
- 1,800円~/月。無料トライアルあり
WiLL Mail
「WiLL Mail」は、株式会社サパナが運営する従量課金制のメール配信ツールです。配信した数に応じて課金されるため、コストを抑えてメールマーケティングを行えます。ドラッグアンドドロップでHTMLメールを作成でき、初心者でも簡単にメールマーケティングが可能です。
ポイント
- 累計導入社数1,900社以上
- 配信結果をグラフやヒートマップで可視化して確認できる
- 4,000円~/月。14日間無料トライアルあり
Mailchimp
「Mailchimp」は、Mailchimpが運営する世界中に利用者がいるメールマーケティングツールです。ステップメールの配信やLPの作成などが無料ででき、HubSpotやFacebookなど外部サービスと連携することで、リード獲得からメール配信までを自動化できます。
ポイント
- レポート機能で効果測定がしやすい
- 独自のセグメンテーションツールで送信先ごとに適切な案内を選択し簡単に送信できる
- 1,150円~/月。無料プランあり
おすすめのMAツール7選
最後におすすめのMAツールを紹介します。
Adobe Marketo Engage
Adobe社の「Adobe Marketo Engage」は、全世界で5,000以上導入、国内ユーザーコミュニティ数2,200名を誇るMAツールです。マーケティングオートメーションのほかデジタル広告やアナリティクスなど、9つのマーケティングアプリケーションを使い分けられるのが最大の特徴です。
ポイント
- あらゆるマーケティング機能が集約したプラットフォーム
- コンサルタントやトレーニングなどの充実したサポート体制。日本語に対応したサポート窓口もあり
- 料金は要問い合わせ
Marketing Hub
Hubspot社の「Marketing Hub」は、見込み客の育成やマーケティング分析などすべてのマーケティング活動に必要な機能を備えたMAツールです。500種類を超えるカスタム連携が可能なサービスが公開されているため、既存のツールとの連携で一層の機能拡張が実現します。
ポイント
- 世界120か国以上で95,000社が利用、6言語に対応
- ブログやSNS、広告などのさまざまな集客媒体を一元管理
- 5,400円~/月。無料プランあり
SATORI
SATORI株式会社が提供する「SATORI」は、名前のわかる見込み顧客だけでなく、匿名の見込み顧客にも接点を創出できる国産のMAツールです。基本的なマーケティング機能をすべて装備しながら、特に見込み客獲得にフォーカスした機能を多数備えているところが最大の特徴です。
ポイント
- 導入実績1,000社以上の実績
- 日本製のMAツールなので日本人が手厚くサポート
- 148,000/月、初期費用300,000円
b→dash
株式会社フロムスクラッチが提供する「b→dash」は、ノーコードでデータの取込や加工、統合、抽出、活用ができるMAツールです。統合基盤により、データの集約・連携をワンストップで実現し、CDPやWeb接客などマーケティングに必要なさまざまな機能を、自社に最適な形でカスタマイズできます。
ポイント
- 2019年度グッドデザイン賞を獲得。見やすい画面で扱いやすい操作性が特徴
- 直感的に操作できるため初心者でも使いやすい
- 料金は要問い合わせ
BowNow
Mtame株式会社が提供する「BowNow」は、見込み客アプローチの効率化が得意なツールです。見込み客の度合いを細かく分析し、優先度やアプローチ方法を簡単に決められます。無料プランでも基本的な機能を利用できます。
ポイント
- 導入実績11,000社越え、継続率98.4%。国産MAツール導入者数NO.1
- シンプルな設計なので誰でも簡単に使える
- 12,000円~/月。無料プランあり
List Finder
株式会社Innovation & Co.の「List Finder」は、BtoBに特化したMAツールです。営業やマーケティング活動に必要なシンプルな機能を搭載し、わかりやすいUIと無料コンサル、定期的な勉強会などの支援サービスがあるので、リソースやノウハウ不足でも安心して利用できます。
ポイント
- 導入実績1,600アカウント、継続率98.7%
- 導入時のサポートから導入後のコンサルティングまで手厚いサポート
- 39,800円~/月、初期費用100,000円
ferret One
株式会社ベーシックの「ferret One」は、BtoBマーケティングに特化したMAツールです。ferret Oneのほか、会員45万人のWebマーケティングメディア「ferret」と利用者84,000人のツール「formrun」で培った独自ノウハウを体系化したメソッドで、リード獲得〜受注までの戦略支援と伴走サポートを行います。
ポイント
- 1,000社を超える導入実績、リード獲得数月間1,500件
- プログラミングなしでサイト制作や更新ができる手軽なCMS
- 100,000円~/月、初期費用100,000円
自社の課題に合ったメールマーケティングツールやMAツールを導入しよう
メールマーケティングツールは、メールによるマーケティング活動の効率化に特化したツールです。一方MAツールは、マーケティング業務全般に対応した業務効率化ツールで、見込み客の育成や詳細な情報管理などに適しています。自社の通常業務がメールを中心とした施策が多いならば、MAツールだと不要になる機能も多くなるので、メールマーケティングツールの方が妥当です。また、デジタルリテラシーや予算などのリソースが高くない場合も、メールマーケティングツールの方がおすすめです。メールマーケティングツールにするか、MAツールにするかは、自社の課題や目的に合わせてどちらを選ぶか決めるとよいでしょう。