製造業や建設業などの現場では、工程管理が重要となります。工程管理を行わないまま作業を進めると、生産性が低下するだけでなく、ミスや属人化につながる可能性が高まります。このような状況を避けるためにも、工程管理システムの導入を検討しましょう。本記事では、工程管理システムを導入するメリットに加え、選び方や業界ごとにおすすめの工程管理システム20選を紹介します。
- 1 工程管理システムを導入するメリット
- 2 工程管理システムの選び方
- 3 製造業におすすめな工程管理システム13選
- 3.1 【IT導入補助金認定システム】FMES
- 3.2 【多品種・少量生産】Seiryu
- 3.3 【サプライチェーンAPS】ADAP
- 3.4 【工場DXに】MonoRevo
- 3.5 【スマホからクラウドで情報共有】UM工程進捗
- 3.6 【単品加工業】サクっと工程
- 3.7 【個別受注生産】DIRECTOR6
- 3.8 【小規模製造業におすすめ】IG Work Manager
- 3.9 【幅広い管理業務に対応】TONOPS®生産管理システム
- 3.10 【高いカスタマイズ性】IB-Mes
- 3.11 【研究開発から不可管理まで】PREGARE
- 3.12 【タッチパネルで操作しやすい】Ez-Collect
- 3.13 【工程計画を社内外に共有】Planow
- 4 建設業におすすめな工程管理システム4選
- 5 業界・業種を問わずに使える工程管理システム3選
- 6 工程管理システムは業界・業種、自社の課題に合ったものを選ぼう
工程管理システムを導入するメリット
工程管理システムを導入することで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。下記の3つのメリットを踏まえたうえで、自社現場での活かし方を模索してみてください。
メリット1.管理業務の効率化
工程管理システムを導入する1つ目のメリットは、管理業務の効率化です。工程全体を可視化し、無駄が発生しないように効率よく作業を進められます。また、これまで煩雑だった書類管理をシステム上で行い、人員の配置や、業務フローの確認などをスムーズに行なえます。スマートフォンやタブレットからの操作に対応しているシステムもあり、作業状況を手元でチェックできます。
メリット2.人的ミスや伝達漏れの防止
工程管理システムには、人的ミスや伝達漏れを防ぐ役割もあります。たとえば、従来の工程管理では、現場監督ごとに説明が違っていたり、各従業員が工程を誤って把握していたりするなど、重大なミスにつながる危険性がありました。そこで、工程管理システムを導入すると、工程内容が正しくされるため、誤って作業を行うリスクを軽減できるでしょう。現場監督から従業員、そして従業員同士の伝達漏れを防ぎ、安全に工程通りに作業を進めることが可能となります。
メリット3.管理業務の属人化を防止
3つ目のメリットは、管理業務の属人化を防止することです。紙媒体やExcelなどで管理する必要がなくなり、従業員間における情報共有をしやすくなります。また、過去に得られたノウハウを蓄積することで、新しい担当者への引き継ぎも容易です。特定の担当者だけでしかできないという状況を防ぎ、全社での生産性向上につながるでしょう。
工程管理システムの選び方
工程管理システムを導入する際には、選び方が重要です。業種・生産方式に適したシステムや、さまざまな管理機能などを調べながら、システムを導入しましょう。
ポイント1.自社の業種や生産方式に合ったものを選ぶ
工程管理システムを選ぶ際には、自社の業種や生産方式に適したシステムを選ぶようにしましょう。具体的には、複数種類の商品を生産している企業であれば、マシン別・日付別といったガントチャートを使い分けられるシステムが便利です。また、個別に受注しながら生産を行っている場合は、仕様や納期を柔軟に変えられるシステムが適しています。工程システムを導入する目的や課題を明確にしたうえで、最適なシステムを選ぶことが重要です。
ポイント2.生産計画の作成・管理ができるものを選ぶ
2つ目のポイントは、生産計画の作成・管理できるシステムを候補に挙げることです。生産計画や計画変更に課題を抱えている企業であれば、生産スケジューラーに対応したシステムが適しています。たとえば、生産スケジューラーを用いることで、工程ごとに作業時間や担当者を設定できます。また、急な工程変更があった場合でもフレキシブルな対応が可能で、現場での混乱やトラブル防止にも期待できます。
ポイント3.その他の管理機能の充実したものを選ぶ
工程管理システムを導入するにあたって、その他の管理機能の充実度もポイントとなります。工程管理だけでなく、生産を終えたあとの在庫状況を把握したい場合には、在庫管理機能が付帯したシステムが便利です。在庫管理機能では、在庫、受発注、検収、補充といった情報を一元化し、業務の効率化につながります。ほかにも、実績管理機能や、原価管理機能、検査管理機能など、自社の状況に応じてさまざまな機能もチェックしましょう。
製造業におすすめな工程管理システム13選
はじめに製造業におすすめの工程管理システム13選を紹介します。現場での使いやすさや、既存システムとの連携なども確かめるようにしましょう。
【IT導入補助金認定システム】FMES
FMESは、IT導入支援事業に認定された工程管理システムです。大量生産、多品種少量生産、受注生産といった多様な生産方式に対応しています。また、工程管理以外にも、検査管理、出荷管理、日報管理などの機能を搭載し、管理業務の効率化を実現します。スマホ・タブレットに対応しているので、現場でも手軽に使用可能です。
ポイント
- 多様の生産方式に対応
- 豊富なサブシステムで管理を効率化
- スマホ、タブレット対応で手軽に使用可能
【多品種・少量生産】Seiryu
Seiryuは、生産性向上に適した工程管理システムです。機械の負担状況を自動的に把握し、納期に間に合うように適切な機械に割り当てられます。また、日、AM/PM、時間、分といった細かい時間調整が可能で、工程管理を最適化します。既存システムとの連携にも対応し、導入時の負担を軽減できます。
ポイント
- 機械の自動割当による生産性向上
- 細かい時間調整で工程管理を最適化
- 既存システムとの連携に対応
【サプライチェーンAPS】ADAP
ADAPは、ホワイトボードのような見やすいデザインを採用しており、直感的に現場で起きていることを把握するのに役立ちます。また、日本語だけでなく、英語、中国語、韓国語に対応しているため、グローバル化が進む企業にも最適です。納期管理機能や、消費期限管理機能など充実した機能を備えています。
ポイント
- ホワイトボードのような見やすいデザイン
- 多言語対応で外国人従業員も安心
- 納期管理、消費期限管理などその他機能も充実
【工場DXに】MonoRevo
MonoRevoは、初めて工程管理システムを導入する企業でも使いやすいのが特徴で、品番・数量・納期の3つを入力するだけで生産計画表を作成できます。また、生産工数やキャッシュフロー、売上・原価、在庫変動といったデータを蓄積し、生産状況の改善に役立ちます。サポート体制も充実しており、導入後の運用支援・改善支援まで専任のサポートチームが支援します。
ポイント
- 初めてでも使いやすいUI
- 蓄積したデータによる生産性を改善
- 初期費用0円、月額60,000円〜
【スマホからクラウドで情報共有】UM工程進捗
UM工程進捗は、スマホに対応した工程管理システムで、現場でも簡単に実績を入力できます。また、クラウド上でデータを管理するので、従業員同士の情報共有にも便利です。既存システムやExcelとの連携に対応しており、生産計画、製造オーダー、在庫といった情報を導入時に入力する手間を省けます。
ポイント
- スマホで現場でも簡単入力が可能
- クラウド管理で情報共有
- 外部システムとの連携で導入が便利
【単品加工業】サクっと工程
サクっと工程は、部品加工業、板金加工業、金型製造業といった加工業向けの工程管理システムです。部品名や工程手順を入力することで、作業指示書を素早く作成できます。また、日単位でガントチャートが表示されるため、進捗状況を細かく可視化するのに役立ちます。
ポイント
- 加工業向けに分析、調査まで可能
- 日単位のガントチャートで進捗状況を細かく可視化
- 58万円(税抜)
【個別受注生産】DIRECTOR6
DIRECTOR6は、個別受注生産における負担を山積みグラフや、集計表などで可視化し、工程の改善につなげられます。また、稼働状況をリアルタイムでモニタリングすることで、各オーダーの進捗状況の把握も可能です。原価計算機能を搭載し、実行予算に対する原価計算も簡単に行なえます。
ポイント
- 工程管理における負担を可視化
- 稼働状況をリアルタイムでモニタリング
- 実行予算に対する原価計算も簡単に
【小規模製造業におすすめ】IG Work Manager
IG Work Managerは、バーコードで作業内容や図面を記録するため、パソコン操作に不慣れな従業員でも安心して利用できます。専用のクラウドを介して取引先と情報共有し、作業の効率化にも最適です。また、クラウドへのバックアップも可能で、災害時のBCP対策を万全にします。
ポイント
- バーコードで手軽に作業内容を記録
- 専用クラウドで取引先との情報共有が可能
- クラウドへのバックアップでBCP対策に有効
【幅広い管理業務に対応】TONOPS®生産管理システム
TONOPS®生産管理システムは、ケミカルや半導体、自動車、医薬系といった幅広い業種に対応した管理システムです。また、工程管理だけでなく、在庫管理、受注発注管理、品質管理、設備管理などの多種多様な管理機能を搭載しており、業務効率化を実現します。とくに、エネルギー管理機能はガス・電気の使用状況をモニタリングし、現場全体での省力化を狙えます。
ポイント
- 幅広い業種に対応した管理システム
- 多種多様な管理機能で業務効率化を実現
- エネルギー管理機能により省力化が可能
【高いカスタマイズ性】IB-Mes
IB-Mesは、自社業種、管理体制に応じて、自由に機能を搭載できるカスタマイズ性能が特徴です。また、本導入前にトライアル導入期間が設けられており、機能の実用性や効果を検証できます。分析ツールを活用することで、収集したデータから多角的に分析し、問題点の改善を目指せます。
ポイント
- 自社業種、管理体制に応じてカスタマイズ可能
- トライアル導入を用いて工程に
- 分析ツールで多角的に製造現場を可視化
【研究開発から不可管理まで】PREGARE
PREGAREは、研究開発部門や設計部門、製造部門、保守部門など、あらゆる部門・組織の生産性向上に最適な管理システムです。社内におけるコストを定量化し、生産状況の精度向上に役立ちます。また、進捗状況を可視化することで、トラブルが生じる前にリスクの洗い出しを行えます。
ポイント
- あらゆる部門の生産性を向上
- 社内におけるコストを定量化
- 進捗状況の可視化でリスクを事前に把握
【タッチパネルで操作しやすい】Ez-Collect
Ez-Collectは、タッチパネル入力を採用しており、現場でも簡単に操作できます。また、過去に発生した不良情報の情報共有をスムーズに行い、生産現場におけるミスの軽減を期待できます。ほかのシステムとの連携が可能で、データを活用しながら生産性向上につながります。
ポイント
- タッチパネルで簡単操作
- 情報共有を徹底しミスを軽減
- システム連携でデータを有効活用
【工程計画を社内外に共有】Planow
Planowは、大型プロジェクトの工程管理を複数人で手軽に共有するのに役立つ管理システムです。また、工程計画の閲覧や編集、その他機能の使用権限を自由に割り当てることで、適切な運用を実現します。最新のセキュリティ対策を提供しており、オフィス外でも安心して利用できます。
ポイント
- 大型プロジェクトの工程管理を手軽に共有
- 閲覧や機能の使用権限を自由に割当て
- 最新のセキュリティ対策を提供
建設業におすすめな工程管理システム4選
次に、建設業におすすめの工程管理システム4選です。工程管理だけでなく、図面の管理や、現場で働く従業員間での情報共有がしやすいシステムだと便利です。
【シンプルな操作性】KANNA
KANNAは、シンプルな操作性が特徴の工程管理システムです。スマホ・タブレットに対応しており、従来の電話やメールなどによる情報伝達のミスを軽減します。また、リアルタイムで情報共有が可能で、従業員の移動コストの削減も可能です。
ポイント
- スマホ、タブレット対応で情報伝達のミスを軽減
- リアルタイムで共有し移動コストを削減
- 無料トライアルを提供
【工務店におすすめ】AnyONE
AnyONEは、2700以上の導入実績があるほか、「第一回長期優良住宅先導的モデル事業」に採択された国土交通省公認の工程管理システムです。建材会社が監修したシステムで、一人親方から中堅企業、大企業まで規模感を問わずに導入できます。また、専任スタッフが、導入前に現場の課題をヒアリングし、業務状況やオペレーションに適した解決策を提供します。
ポイント
- 導入2700社以上の工程管理システム
- 建材会社監修で規模を問わず導入可能
- 導入から運用まで徹底サポート
【建設DXに】ANDPAD
ANDPADは、クラウド上で従業員のタスクや、最新図面の共有など一元管理します。また、チャット機能を搭載しているため、リアルタイムで情報伝達を行えるほか、情報共有の漏れを防ぎます。さまざまな外部システムにも連携しており、業務の効率化を実現できます。
ポイント
- クラウドでタスクや図面を一元管理
- チャット機能を用いてリアルタイムに情報伝達
- 外部システムとの連携に対応したプラットフォーム
【現場での使いやすさを追求】ダンドリワーク
ダンドリワークは、工程管理システムを初めて導入する企業でも使いやすいシンプルな管理画面が特徴です。また、コメント機能には既読ボタンが設置されており、各従業員が漏れのないように情報を伝達できます。情報の公開範囲やアクセス権限の設定が可能で、セキュリティ対策も万全です。
ポイント
- 使いやすいシンプルな管理画面
- 既読ボタンによる漏れのない情報共有
- 権限設定でセキュリティも安心
業界・業種を問わずに使える工程管理システム3選
最後に、どの業種でも使える工程管理システムを3つ紹介します。それぞれどのような機能を搭載しているのかをチェックしましょう。
【多様な管理方式】Lychee Redmine
Lychee Redmineは、ダッシュボード上で進捗状況をリアルタイムで表示し、チーム全体で情報共有が可能となります。また、複数プロジェクトの状況を一括で管理するため、トラブルが発生する前にリスクを検知できます。各セクションにおける負担状況を可視化し、従業員が無理なく働けるような計画作成をサポートします。
ポイント
- ダッシュボードで進捗状況をリアルタイムで表示
- 負担状況を可視化し無理のない計画作成が可能
- 月額0円〜、30日間の無料トライアル付き
【集計作業を省力化】CrowdLog
CrowdLogは、積み上げ型グラフ、折れ線グラフ、円グラフといった多彩なレポートで進捗状況を表示し、プロジェクトの現状を正確に把握できます。また、各プロジェクトにおける詳細な作業内容を登録することで、多角的な工数の分析に役立ちます。Googleカレンダーとの連携に対応しており、工数登録も手軽に行なえます。
ポイント
- 多彩なレポートで進捗状況を正確に把握
- 詳細な工数登録による多角的な分析が可能
- 外部カレンダーとの同期に対応
【全社の業務を一元管理】monday.com
monday.comは、視覚的に優れたダッシュボードを採用しています。ユーザーが使いやすいようにアレンジが可能で、進捗状況の把握が便利になります。また、外部システムとの統合にも対応しており、業務効率化につながります。
ポイント
- 視覚的に優れたデザイン
- 外部システムとの統合で効率性の向上
- 月額0円〜、14日間の無料トライアル付き
工程管理システムは業界・業種、自社の課題に合ったものを選ぼう
工程管理システムを導入するにあたって、自社現場の課題を明確にすることが重要です。課題を解決するために、どのような機能が備わっているか、カスタマイズ性能や操作性などもチェックしましょう。また、ほかのツールを使用している場合、工程管理システムと連携可能かどうかも調べるようにしましょう。トライアルで試しながら、自社に適したシステムを探してみてください。