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「働き方の多様性」を認める動きが徐々に浸透してきています。例えば、「副業人口の拡大」「リモートワークへの移行加速」など、雇用形態の多様化や時間や場所にこだわらないワークスタイルが広がってきています。さらに、新型コロナウイルス感染症が拡大したことにより、自身の働き方について考えはじめる人が増加し、インターネットを介して働ける仕事への興味関心が高まっている状況です。そこで注目されているのが「クラウドソーシング」です。近年拡大している新しいワークスタイルの代表格といえるでしょう。
クラウドワークスとランサーズを比較
本記事では、国内の2大クラウドソーシングプラットフォームである「クラウドワークス」と「ランサーズ」について、運営企業や案件内容の比較を行ないます。本記事を読むことで、クラウドソーシングの基礎的な情報と、それぞれのプラットフォームの特長や効果的な使い分けについて理解できるでしょう。
知名度や会社の比較
クラウドワークスとランサーズ、どちらの名前も耳にしたことがある方が多いのではないでしょうか。とはいえ、それぞれの企業についてや知名度を詳しく把握できているという方は少ないはずです。まずは、運営企業の知名度や提供しているサービス内容について比較していきましょう。
クラウドワークス
クラウドワークスの運営会社は「株式会社クラウドワークス(以下、クラウドワークス)」です。同社は2011年に設立され、記事執筆時点では東証マザーズの上場企業です。
- クラウドワークス:国内最大級のクラウドソーシングサービス
- クラウドテック:フリーランスエンジニア向けのサポートサービス
- 3スタ:ハイスキルなフリーランスのWebクリエイター向けのサポートサービス
- クラウドリンクス:ハイクラス特化型の副業・兼業マッチングサービス
- サイタ:大人が楽しむマンツーマンの習い事サービス
- ビズアシ(子会社):オンライン業務特化型の案件マッチングサービス
ランサーズ
ランサーズはクラウドソーシングを軸に、フリーランスの紹介や働き方メディアをはじめとした6種類のサービスを運営しています。例えば、Lancers Proではランサーズには掲載されていない高単価案件の紹介が、Lancers Agentではフリーランスエンジニアへの常駐先の紹介が可能です。他にも、発注から進行・品質管理、納品までを一括で委託できる法人向けサービスであるLancers Outsourcingも提供中。フリーランスへの発注から進行管理、納品までを専任のディレクターに任せられるので、わずらわしいコミュニケーションなしで業務を依頼できるでしょう。
- Lancers:クラウドソーシングサービス
- Lancers Pro:厳選フリーランスの紹介サービス
- Lancers Agent:常駐ITフリーランスの紹介サービス
- Lancers Outsourcing:ディレクターへ一括業務委託ができる法人向けサービス
- Lancers Assistant:オンライン上の専任チームに定額委託できるサービス
- Lancers Enterprise:社外人材活用ソリューション
政府が積極的に働き方改革を推進していくなかで、フリーランスや副業を行う人々は年々増加傾向にあります。とくに副業に関しては、新型感染症の影響によってさらに加速が進んでいます。本記事では日本最大級のクラウドソーシングサービスである「ラン[…]
案件数の比較
- クラウドワークス :300万件
- ランサーズ:210万件
全体数で見るとクラウドワークスの方が多く案件が揃っている印象です。具体的にも比較してみましょう。
●「開発」と検索したところ(2020年7月現在)、クラウドワークスでは477件、ランサーズでは772件ヒットしました。
●「デザイン」と検索すると(2020年7月現在)、クラウドワークスでは1,003件、ランサーズでは513件ヒットしました。
●「ライティング」と検索すると(2020年7月現在)、クラウドワークスでは1,412件、ランサーズでは194件ヒットしました。
●「作業」と検索すると(2020年7月現在)、クラウドワークスでは3,449件、ランサーズでは1,056件ヒットしました。
具体的な案件内容で比較すると、デザイン制作系案件やライティング案件、簡単な作業案件はクラウドワークスが、開発案件はランサーズの方が豊富に揃っているといえます。しかしながら、案件自体は日々変化しているため、大きな違いとまでは断言できません。依頼内容を自分の目で確かめながら、柔軟に対応することをおすすめします。
クラウドワークス | ランサーズ | |
開発案件 | 約1万2,000件 | 約6万件 |
Web制作・デザイン案件 | 約3万2,000件 | 約10万件 |
ライティング案件 | 約12万2,000件 | 約80万4,000件 |
ビジネス | 約1万件 | 約2万8,000件 |
軽作業・タスク | 約12万5,000件 | 約39万6,000件 |
(※件数は2020年7月現在)
案件の質の比較
報酬の比較
いずれも採用しているのはエスクロー式で、サービス側がクライアントからの報酬を一時的に預かり、仕事の完了や評価とともに渡すというフローになっています。エスクロー式の場合は、仕事を受けた側が「仕事をしたにもかかわらず、報酬をもらえるかどうかわからない」というネガティブな状況にはなりにくいため、安心感があります。直接取引では、相手から料金が振り込まれなかったというトラブルが起こり得ます。手数料が引かれる分、そのようなトラブルに巻き込まれる危険性を回避できていると考えるといいでしょう。
手数料の比較
続いて、使用する際にかかる手数料について比較していきます。クラウドワークスでは、案件の受注単価に応じて一定の手数料がシステム利用料として発生します。システム利用料とはクラウドワークスで実際に仕事を完了した場合に発生する料金で、サービスの登録・仕事の依頼や応募をした段階では利用料金は発生しません。そのため、安心して案件の依頼や応募をすることが可能です。
次に、ランサーズの手数料を紹介します。ランサーズはすべての取引において、依頼金額の5.5%(税込)がシステム利用手数料とされています。正確な金額を算出するために支払額の計算ツールを提供していることが特徴です。
サポートの充実性の比較
もちろん、クラウドワークスにもサポート内容はあります。「フリーランスライフサポート」という福利厚生サービスや、「みんなのお仕事相談所」などのQ&Aサービスがあるので、困ったときに利用することをおすすめします。
とはいえ、福利厚生がより充実しているのがどちらかといわれると、ランサーズと答えられるでしょう。
おわりに
クラウドワークスとランサーズはいずれも国内最大級のプラットフォームということで、サービス内容に極端な違いはありません。そのため、どちらかのみに登録すべきとも言い切れません。効果的な使い方としては、まずはクラウドワークスとランサーズのどちらにも登録をしてみることです。条件のいい優良案件を探して仕事をする中で、自分に合うクライアントを見つけることをおすすめします。どちらのサポートも有効的に活用し、クラウドソーシングを最大限に活用してください。