IP電話とはインターネットを利用した電話のことです。通常の電話に比べて電話料金が安く、回線の新規開設も簡単にできます。本記事ではIP電話とは何か、また類似サービスとの違いやメリット、注意点について解説します。おすすめのIP電話サービス・アプリもご紹介していますので、導入を検討している方は参考にしてみてください。
IP電話とは?類似サービスとの違いも紹介
IP電話を利用していても、「実際にIP電話とは何なのか?」をよく知らないという方も多いのではないでしょうか。IP電話とはインターネットを利用した電話のことです。ここではIP電話と固定電話・ひかり電話との違いについてご紹介します。
IP電話とは
IP電話とはインターネット回線を利用した電話のこと。IP電話のIPとは「Internet Protocol」の略称です。LINEやSkype、Facebookのメッセンジャー、ひかり電話などが代表的です。
IP電話と固定電話の違い
IP電話は音声を一度データ化し、そのデータをインターネットを通して相手に届けます。受け取った相手は、そのデータを音声に復元して声を聞きます。一方、従来の固定電話では基地局を経由して音声をそのまま相手へ届けます。この点がIP電話と固定電話の違いです。
IP電話とひかり電話の違い
ひかり電話もIP電話の一種です。ひかり電話はインターネットと光ファイバーを利用しています。一方、ひかり電話以外のIP電話は、光ファイバーを利用していません。ここが通常のIP電話との違いです。
IP電話の料金の目安
IP電話は基本料金が無料、または数百円程度です。そして、通話料は使用した時間に応じて課金されます。安いサービスであれば3分で8.8円程度になります。そのため、あまり電話を使わない方、または、同じサービス同士の無料通話しか利用しない方であれば、月額料金は数百円程度となるでしょう。
IP電話を使用するメリット
IP電話には従来の電話にはない3つのメリットがあります。導入が簡単で、電話番号の使い分けができ、また電話料金も節約できます。導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
メリット1.仕事用の電話とプライベートの電話を分けられる
仕事用の電話とプライベート用の電話を分けたいときにはIP電話がおすすめです。自宅や会社などに設定している固定電話に比べて、新規開設・削除ともに手続きが簡単なため、気軽に導入できます。
メリット2.重要度で電話番号を使い分けられる
IP電話は手軽に電話番号が取得できます。複数契約することも可能なため、自分の都合に応じて契約数を増減させられます。そのため重要度の高い用件が掛かってくる電話番号と、そうではない電話番号を分けることが可能です。
メリット3.電話料金の節約ができる
IP電話は従来の電話に比べて通話料を節約できます。IP電話は基本料金が無料または格安で、使用した分だけ通話料が発生するのが一般的です。従来の電話より割安になります。また、従来の電話を新設するには工事や機械の設置が必要になります。IP電話ではこれらも不要です。そのため、IP電話を利用した方が電話料金を総合的に節約できます。
IP電話を使用する際の注意点
IP電話を利用するときはこれからご紹介する4つの点に注意しましょう。
注意点1.フリーダイヤルや緊急通報電話が使用できない
ほとんどのIP電話ではフリーダイヤルが使用できません。フリーダイヤルを使用するには電話回線を利用していなければならないからです。また、電話番号不要型及び050型のIP電話では、110番や119番といった緊急通報電話が使用できません。電話番号不要型及び050型とはIP電話の種類のことです。この次の章で詳しく解説しています。同じIP電話でも0AB-J型であれば緊急通報電話が使用可能です。IP電話の導入を検討する際にはフリーダイヤルや緊急通報電話の使用が必要かどうかも考慮しましょう。
注意点2.回線が不安定になることもある
IP電話は通話が不安定になることがあります。その理由はIP電話はインターネット回線を利用しているからです。インターネットの接続状況が悪ければ、インターネットを利用しているIP電話の回線も不安定になってしまいます。
注意点3.SMSが使用できない可能性が高い
IP電話では基本的にSMSが使用できません。一部の050型のサービスではSMSの使用が可能ですが、ほとんどの場合では使用できません。そのためIP電話では基本的にSMSは使用できないと考えておきましょう。
注意点4.FAXを使用する際は、アダプタが必要
IP電話でFAXを使用したい場合、別途アダプタを用意する必要があります。通常FAXは固定電話の回線で使用するものです。そのためアダプタを通してFAXを使用できるようにします。IP電話のみではFAXの使用ができませんので注意しましょう。
IP電話の3つの種類
IP電話には電話番号不要型・0AB-J型・050型の3つの種類があります。
電話番号不要型
電話番号不要型とは電話番号を利用していないIP電話のこと。LINEやSkypeなどが代表的な例です。スマホやタブレットなどでアプリを通して電話をする場合は、ほとんどこの電話番号不要型のIP電話に該当します。電話番号不要型にはVoIP(Voice over IP)技術が利用されています。インターネット上のサーバーを通して音声をデータ情報に変え、双方でデータのやり取りを行う技術です。
0AB-J型
0AB-J型は従来の固定電話と同じように市外局番を利用するIP電話のことです。東京の場合は市外局番「03」から始まる10桁の電話番号を利用して通話します。0AB-J型の最初の文字である「0」は英語の「O(オー)」ではなく数字の「0(ゼロ)」です。電話番号は通常0から始まります。この0のことです。0以外の可変の数字部分には英字を当てはめ「0A-BCDE-FGHJ」と表されます。最後が「I」ではなく「J」なのは数字の「1」と見間違えないようにするためです。0AB-J型の番号を用いてIP電話を利用するには総務省の定めた基準をクリアしなければなりません。「接続品質」「総合品質」「安定品質」「ネットワーク品質」の4つ項目が定められています。
050型
050型では「050」から始まる11桁の数字が電話番号に割り当てられます。050型には市外局番が含まれていないため、発信地を特定されたくない場合に向いています。その反面、0AB-J型のように基準が定められていないため、通話品質は0AB-J型の方が高いといえます。
【無料あり】おすすめのIP電話サービス・アプリ
ここからはおすすめのIP電話サービスを3つご紹介します。
KDDI-IP電話
KDDI-IP電話はKDDIが提供しています。加入者同士の通話料は無料です。現在利用している電話機やNTTの電話番号をそのまま使ってIP電話へ切り替えができます。複数のIP電話サービスと提供しており、提携サービスを利用している電話とは無料で通話が可能です。
ポイント
- 加入者同士の通話は無料
- 電話と変わりのない通話品質
- 月額基本料金は308円、通話料8.8円/3分
SMARTalk
SMARTalkは楽天モバイルが提供しているサービスです。アプリを使ってアプリ同士の通話や固定電話・携帯電話との通話ができます。050型のIP電話サービスでは基本料金がかかることが多いですが、SMARTalkは基本料金が無料。通話料のみ発生します。
ポイント
- 通話料が最大60%安くなる
- 携帯電話、固定電話、国際電話へも発信が可能
- 月額基本料金は無料、通話料8.8円/30秒~
050プラス
050プラスはNTT Communicationsが提供しています。050から始まる専用の電話番号を利用して固定電話やスマートフォンなどに発信可能です。留守番電話がメールで届いたり、海外からも日本と同じ通話料で利用できたりと充実したサービスが提供されています。
ポイント
- 050プラス同士の通話料は無料
- 専用の電話番号を持てる
- 月額基本料金は300円、通話料8.8円/3分~
IP電話を利用して、快適な電話ライフを楽しもう
IP電話はインターネットを利用した電話のこと。SkypeやLINEなど専用のアプリを使うものもあります。IP電話は電話番号の使い分けが簡単で、また従来の電話に比べて料金が割安です。一方、緊急通報電話が使えない、回線が不安定になることがあるなどのデメリットもあります。導入の際はメリット・デメリットどちらもよく理解した上でサービスを検討するようにしましょう。
あわせて読みたい
本記事ではクラウドフォン・クラウドPBXの特徴やおすすめのサービスを解説します。。クラウドフォン・クラウドPBXはクラウド型の通話サービスです。コスト低減・即時使用などのメリットがあるため、導入を検討する組織も多いと思います。記事内では、ク[…]
企業にとって、電話は顧客や見込み客への重要な窓口です。しかし、コールセンター業務や電話営業をマニュアル化し、オペレーターを教育するだけでは、戦略的な電話対応を行えません。また、個々のオペレーターのスキルを客観的に評価することもできません。そ[…]