ECサイトの需要拡大やメールマーケティング施策の強化に向けて、メール配信システムを導入する企業が増加しています。しかし、手作業でメールを送信するのと比較して、メール配信システムには、どのようなメリットがあるのでしょうか。本記事では、メール配信システムの特徴に加え、利用者側のメリットを紹介します。また、メール配信システムを導入する際のポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
メール配信システムとは?
メール配信システムとは、自社の商品やサービスを周知する際に、ターゲットを絞ってメールを配信するシステムのことです。通常、メルマガを配信する際に、一斉送信をすると迷惑メールとして処理されてしまう可能性があります。また、膨大な顧客情報を持っている場合、一人ひとりのユーザーに対して、それぞれのニーズを満たすメールを配信するのは手間がかかります。そこで、メール配信システムを使用することで、各ユーザーに最適化したメルマガを送信できます。また、パソコンやスマートフォンといった受信端末に合わせて、テキストの大きさ、メールのデザイン、画像サイズなどを最適化します。とくに、ECの需要が高まっているなかで、メール配信システムを活用したマーケティング施策が注目されるようになりました。
メール配信システムの仕組み
一般的に、メール配信システムは、「大量配信型」と「セグメント型」の2つに分けられます。1つ目の大量配信型は、1度に大量のメールを各ユーザーに配信する方法です。マーケティング分野で用いられる機会は少なく、地方自治体や国における緊急速報で活用されています。たとえば、あるエリア内で自然災害が発生したときに、災害による被害状況や避難先の情報を効率的に伝えられます。一方で、セグメント型のメール配信システムは、民間企業のメールマーケティングに取り入れられている手法です。年齢、性別、居住地域、これまでの購買・利用履歴といった情報に基づき、各ユーザーが求めている情報を配信します。近年では、大量配信型とセグメント型を組み合わせたメール配信システムや、ステップメール、1to1メールなど、細かい設定が可能なメール配信システムも使われています。
メール配信システムを導入する3つのメリット
マーケティングに欠かせないメール配信システムですが、運用者側にどのようなメリットがあるのでしょうか。メールマーケティングの施策を進めるなかで、メール配信システムを活用するメリットを3つ紹介します。
【メール配信システムのメリット1】短時間で多くの人に情報を発信できる
1つ目のメリットは、短時間で多くのユーザーに情報を発信できることです。通常、大量配信をすると、サーバーに負担がかかり、ユーザーにメールが届くまでに時間がかかってしまいます。また、メールを一つひとつ手作業で作成している場合、多大な時間を要してしまうだけでなく、誤送信のリスクにも注意しなければなりません。そこで、メール配信システムを導入することで、大量のメールを配信する際にも、スピーディに作業を済ませられます。さらに、メールを自動的に配信するため、人的ミスの防止や業務効率化にも効果的です。
【メール配信システムのメリット2】低コストでメールマガジンを配信できる
メール配信システムは、低コストでメールマーケティング施策を進めたい場合にも最適です。従業員がメルマガを作成したり、自社顧客の情報を整理したりする手間が減少し、人的コストの削減につながります。ただし、オンプレミス型のメール配信システムを導入する場合、自社でサーバーや専用のパソコンなどを準備しなければなりません。メールマーケティングのコスト削減したい方は、クラウド型の導入を推奨します。
【メール配信システムのメリット3】メルマガの反応率を分析できる
メルマガの効果を検証する際に、ユーザーの反応率やアクションといった分析が可能です。メール配信システムは、「ユーザーがいつメールを開封したのか」、「配信したメルマガのうちどれくらい開封したのか」などの反応を確認できます。このようにデータを可視化できるため、効果検証に役立てたり、さらなる効果を得るためにPDCAサイクルを回したりするのに便利です。メールマーケティングの成果が出ないときに、データを振り返って改善に活かせます。
メール配信システムを導入するときの注意点
メール配信システムを導入する際に、迷惑メールに振り分けられる可能性がある点に注意が必要です。すべてのメール配信システムに当てはまるわけではありませんが、受信側の仕様で迷惑メールに振り分けられます。また、ユーザーが求めていないのにも関わらず、大量にメールを配信し続けると、手動で迷惑メールに設定されることもあります。ユーザーが、発信者側のドメインを迷惑メールに指定すると、二度とメールを読んでくれません。迷惑メールに指定されないためにも、ユーザーにとって有益となる情報を配信するようにしましょう。
メール配信システムの選び方の5つのポイント
メール配信システムには、さまざまな種類があるので自社に適したモデルを選ぶことが大切です。導入後に失敗しないように、メール配信システムの選び方を5つ押さえておきましょう。
【メール配信システムポイント1】料金が自社にあっているか
1つ目のポイントは、メール配信システムの料金です。一般的に、メール配信システムは、月額料金制を採用しているほか、機能に応じて価格が決められています。これまでにメール配信システムを導入したことがない場合や、そもそもの予算を低く見積もっている場合には、低価格のプランを用意しているサービスがおすすめです。また、サービスを利用する前に、無料トライアルを利用できるかも調べておきましょう。
【メール配信システムポイント2】効果測定が可能か
次に、メール配信システムを使ってメールを配信したあとに、効果測定が可能かどうかです。具体的には、メールの開封率やメールを介して購入に至ったユーザーの割合、クーポンの利用率などを検証できると便利です。最終的な自社の目的を達成するために、効果測定が可能な項目についても調べておきましょう。
【メール配信システムポイント3】外部システムと連携できるか
3つ目のポイントは、外部システムとの連携機能です。自社で導入している既存のサービスとメール配信システムを連携することで、業務効率化につなげられます。たとえば、マーケティングオートメーションツール(MA)、顧客管理システム(CRM)、営業支援システム(SFA)など、メール配信システムと連携可能かどうか確認しておきましょう。
【メール配信システムポイント4】無料トライアル期間があるか
初めてメール配信システムを導入する方は、無料トライアル期間の有無をチェックしておきましょう。上記で解説したとおり、メール配信システムを契約すると月ごとに高額な料金が請求されます。「自社が求める機能と異なっていた」、「UIが使いにくい」、「サポート体制が不安」といった懸念を払拭するためにも、無料トライアル期間があると安心です。
【メール配信システムポイント5】セキュリティ対策がされているか
最後に、メール配信システムのセキュリティ対策です。企業によっては膨大な個人情報を取り扱うことから、セキュリティ対策に力を入れているサービスを選びましょう。セキュリティ基準を判断する材料として、第三者機関のセキュリティ証明や、暗号化通信の対応有無、管理者の設定、二要素認証によるログインシステムなどの対策が施されているかを確認してみてください。
おすすめのメール配信システム厳選5選
多くのメール配信システムのなかから、どのツールを選べばよいか迷われている方も多いのではないでしょうか。おすすめのメール配信システムを5つ厳選してご紹介します。
blastmail(ブラストメール)
blastmail(ブラストメール)は、1時間に最大280万件のメールを配信します。ユーザーへの到達率も高く、メールマーケティングの効果を実感できます。また、開封したユーザーの情報、開封日時、URLのクリック状況などを可視化し、PDCAサイクルを回しながら施策を進められます。
ポイント
- 高速配信、高い到達率による効果の最大化を実現
- 効果測定でPDCAサイクルを回しながら改善
- 初期費用10,000円、月額3,000円〜(無料トライアル期間有り)
株式会社ラクスライトクラウド
ブラストメールは、メールマーケティングを効率的に行うためのツールです。ユーザーがメールを作成し、配信することができ、読者の管理も行うことが可能です。また、迷惑メール対策機能も備えています。
配配メール
配配メールは、「誰が」、「いつ」メールを開封したのかを可視化し、今後のマーケティング施策の改善に活かせます。暗号化通信対応や、24時間365日の監視体制など、万全なセキュリティ対策を提供しているのも特徴です。英語、中国語、韓国語など全62言語に対応しており、外国人ユーザーへのメールマーケティングにもおすすめです。
ポイント
- データを可視化しマーケティング施策の向上
- 万全なセキュリティ体制で情報漏洩を防止
- 外国人ユーザー向けに多言語送信も可能
SendGrid(センドグリッド)
SendGrid(センドグリッド)には、メールマーケティングの効果を高める豊富な機能を提供しています。ABテストによるユーザーの反応チェック、条件ごとにセグメントの作成などの機能を活用し、コンバージョン率の向上に活かせます。また、IPアドレスを識別し、アクセスを制限することでセキュリティ対策も安心です。
ポイント
- マーケティング効果を高める豊富な機能
- IPアドレスによるアクセス制限
- 月額1,900円〜(無料プラン有り)
TWILIO
SendGridはクラウドベースのメール配信サービスで、アカウントを取得するだけで利用を開始できます。面倒なメンテナンス作業や無駄なコストを削減し、ビジネスを加速させることができます。
WiLL Mail(ウィルメール)
WiLL Mailは、ドラッグ&ドロップだけでHTMLメールを作成できます。プログラミング知識も不要で、制作コストや人的コストの削減につながります。ヒートマップによる視覚的な効果測定を提供しており、リアルタイムで把握可能なほか、過去のキャンペーンとの比較にも便利です。
ポイント
- ドラッグ&ドロップでHTMLメールを簡単に作成
- ヒートマップを使った視覚的な効果測定
- 月額10,000円〜(14日間の無料トライアル有り)
株式会社サパナ
WiLL Mailは、ビジネスパーソン向けのメールマーケティングツールです。ユーザーはこのツールを使用して、効率的に大量のメールを送信することができます。また、WiLL Mailは、メールの配信状況をリアルタイムで確認することができるため、マーケティング活動の効果を把握するのに役立ちます。
Customers Mail Cloud
Customers Mail Cloudは、独自技術による高精度なメール配信が可能です。通信キャリアのアドレスにも迷惑メールにならないように、ユーザーにメールを届けられます。また、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISMS認証」を取得しており、万全なセキュリティ体制を整えています。
ポイント
- 独自技術による高精度のメール配信
- ISMS認証を取得した万全なセキュリティ体制
- 利用料金は要相談
HENNGE株式会社
Customers Mail Cloudは、クラウドから簡単かつ確実にメールを送信できるメール配信サービスです。商品購入や予約完了の即時メール、結果通知の一括・大量メールなど、ユーザーに届けたい通知メールを高い到達率で配信することが特徴です。
メール配信システムを活用してメールを効果的に運用しよう
メールマーケティングの重要性が高まるなかで、メール配信システムの導入は効果的な手段となります。短い時間で一度に多くのユーザーにメールを配信したり、効果測定を繰り返してマーケティングを強化できます。また、メール配信システムを選ぶ際には、コストや外部ツールとの連携、セキュリティ対策の有無などをチェックすることが重要です。本記事で紹介した選び方のポイントを押さえたうえで、自社に最適なメール配信システムを導入しましょう。