会員管理システムとは、自社サービスを利用する消費者や法人企業などの情報を管理するシステムです。マーケティング活動やキャンペーンの展開にも有効とされており、導入する企業が増加しています。そこで本記事では、会員管理システムを選ぶ際のポイントや、おすすめの会員管理システムを厳選してご紹介します。
会員管理システムでできること
会員管理システムを導入することで、どのようなことができるのでしょうか。ここでは3つを紹介します。
管理業務の効率化
1つ目に、管理業務の効率化が挙げられます。会員管理システムを導入することで、自社サービスの登録や退会、顧客情報の変更などの作業を円滑に行えます。決済システムや経理システムといった外部ツールと連携すれば、売上管理の効率化にもつながります。これまで煩雑だった管理業務が効率化されるほか、手作業で行っていたことによるミスの削減にも期待できるでしょう。
解約率の軽減
2つ目は、解約率の軽減です。メルマガ配信やアプリのプッシュ通知といった機能を備えている会員管理システムも多く、既存顧客の利用を促すのに役立ちます。また、会員管理システム内に顧客の属性や、過去の利用履歴、利用頻度、利用した時間帯などをデータとして残しておくことで、各顧客にとってニーズの高い情報を届けられます。顧客満足度の向上にもつながり、自社サービスの解約率を抑えられるでしょう。
ロイヤルカスタマーの育成
ロイヤルカスタマーとは、自社サービスに対して忠誠心を持ち、継続的に利用する顧客のことです。少子高齢化や競合サービスの増加に伴い、新規顧客の獲得だけでなく、ロイヤルカスタマーの育成も重要とされています。上述したとおり、会員管理システムは各顧客に最適な情報を届けたり、会員のニーズに応じたアプローチを実現したりするのに役立ちます。顧客が利用しやすい環境を提供し続けることで、自社サービスのロイヤルカスタマーを育成できるでしょう。
会員管理システムにあると便利な付帯機能
会員管理システムを導入するにあたって、付帯機能が搭載されていると便利です。特に便利な、決済機能、入退室管理機能、メッセージ配信機能、会員サイト構築機能の4つをまとめます。
決済機能
ECサイトや学習サービスを提供している企業では、決済機能が付帯した会員管理システムの導入がおすすめです。会員管理システム上で、顧客が利用料金を支払えるようになるほか、自社にとっても別の決済サービスと連携する手間を省けます。ただし、決済機能が付帯した会員管理システムを導入する際には、決済方法の種類や、どのクレジットカードブランドに対応しているかを必ず確認しましょう。また、決済手数料が高いとコストがかかってしまうので、導入前に比較することも大切です。
入退室管理機能
シェアオフィスやスポーツジムなどを経営している企業は、入退室管理機能が付帯していると便利です。顧客の入退室時間や、利用したサービスの情報をデータ化し、どの時間帯が混雑しやすいのか、どういったサービスが顧客に求められているのかなどを分析できます。また、会員証発行機能が搭載されていると、受付業務の省力化につながるほか、顧客側での手続きを簡素化するのにも役立ちます。
チャットやメルマガ配信
サポート体制やマーケティング活動を強化したい場合には、チャット・メルマガ配信機能が付帯した会員管理システムを選びましょう。たとえば、顧客からの問い合わせがあったときに、チャットであればすぐに対応できます。さらに、会員管理システムのデータを活用し、各顧客の属性に合わせたメルマガを配信することで、マーケティング活動の強化にもつながります。自社の管理業務を簡素化することはもちろんのこと、顧客目線を考えたうえで、チャット・メルマガ配信機能を付帯したシステムも選択肢に入れてみてください。
会員サイトの構築機能
会員サイトを一から立ち上げる場合には、会員サイトの構築機能を付帯したシステムがおすすめです。自社でサイトを構築する必要がないため、手間を省けるだけでなく、エンジニアを新しく雇用する人件費や開発費といったコストを削減できます。ただし、会員サイトの構築機能を付帯したシステムを選ぶ際には、設計のしやすさ、デザインの自由度、外部システムとの連携、会員登録フォームの使いやすさなどを考慮する必要があります。実際にシステムを導入する前に、お試しで利用してみたり、管理担当者の意見を取り入れたりすることも大切です。
会員管理システムの選び方
会員管理システムを選ぶ際には、どのようなポイントを押さえておく必要があるのでしょうか。3つのポイントを紹介するので、会員管理システム導入時の参考にしてみてください。
選び方1.業種に合ったものを選ぶ
会員管理システムを選ぶうえでは、自社の業種に合ったシステムを選ぶようにしましょう。具体的には、ECサイトや配信サービスなどを提供している場合、チャット機能やメルマガ配信、オンライン決済などの機能が付帯するシステムが適しています。一方、シェアオフィスやスポーツジムといった来店型のサービスを提供している企業の場合、入退室管理機能や会員証発行機能、オンライン上で利用料を決済するシステムなどの機能が備わっていると便利でしょう。管理業務の効率化や顧客満足度を向上させるために、どのような機能が必要であるか確かめることが重要です。
選び方2.付帯機能で選ぶ
次に、会員管理システムの付帯機能で選ぶ方法です。管理業務の効率化が目的であれば、顧客情報を一元化する機能や、決済機能、経理システムとの連携機能などが備わっているシステムがおすすめです。また、サイトを立ち上げるノウハウがない企業の場合、サイト構築機能が付帯したシステムが導入候補に挙がります。システムごとに付帯機能が異なるので、導入前に各機能をチェックしておきましょう。
選び方3.料金形態で選ぶ
3つ目は、会員管理システムの料金形態です。一般的に、会員数やデータベースの容量、利用可能な機能などに応じて、月額の利用料が異なります。また、月額利用料以外にも初期導入費用が発生するシステムもあります。利用料金が安いという理由だけで選ぶのではなく、システムを提供する企業からのサポート体制や、費用帯効果も検証しながら選定しましょう。
無料で使える会員管理システム7選
最初に紹介するのは、無料で利用可能な会員管理システム7選です。選び方で紹介したポイントを踏まえながら、一つひとつ確認してみてください。
MOSH
MOSHは、スマートフォンから簡単にサイトを立ち上げられる会員管理システムです。予約機能付きサイトの構築や、自社オリジナルのレイアウトでサイトを作成できます。また、利用料は決済手数料のみで、初期費用・月額利用料金ともに0円です。
ポイント
- クレジットカード支払に対応した決済機能
- 予約機能付きサイトの構築が可能
- 初期費用、月額利用料金はともに0円
月額パンダ
月額パンダは、自社サービスの集金業務を簡素化する会員管理システムです。口座振替に加え、クレジットカード(VISA、MasterCard、American Express)に対応しています。また、自動チャットボットによるサポート体制が整っているため、システムを利用しているなかで不明点やトラブルが発生しても安心です。
ポイント
- 多種多様の決済方法に対応
- 自動チャットボットによるサポート体制
- 初期費用、月額利用料金はともに0円
STORES 予約
STORES 予約は、予約や決済、顧客情報の管理などを一元化した会員管理システムです。LINEと連携した予約システムを提供しており、顧客側が予約をスムーズに行なえます。顧客へのメール配信機能を用いることで、マーケティング活動の効率化も可能です。
ポイント
- LINEと連携した予約システムを提供
- メール配信機能で効率的な集客を実現
- 初期費用0円、月額利用料金はフリープランが0円
STORES 株式会社
STORES 予約は、店舗やビジネスオーナー向けのオンライン予約システムです。ユーザーはこのシステムを使用して、店舗の予約、イベントの予約、クラスの予約などを簡単に管理できます。
MiiT+
MiiT+は、多種多様な項目から該当する顧客を検索できます。入会月日、会員ランク、生年月日、都道府県、その他カスタム項目を活用し、スマートな会員検索が可能です。また、クレジットカード、コンビニ決済、Pay-easy、口座振替に対応しており、支払いの選択肢が広がります。エンジニアが24時間体制で監視を行っているため、セキュリティ対策も万全です。
ポイント
- 多種多様な項目から顧客を検索
- 豊富な決済手段を提供
- エンジニアによる24時間監視体制でセキュリティも万全
MarkONE
MarkONEは、プログラミングの知識がなくても、手軽に会員制サイトを構築できます。また、一括で大量のメール配信を行えるほか、キャンペーンシステムを活用するなど、マーケティング活動の強化にもつながります。不正アクセス対策、システムの監視、脆弱性の検証などを実施しており、安心して利用可能なシステムです。
ポイント
- 会員制サイトを手軽に構築
- キャンペーンシステムによるマーケティング活動の強化
- 万全なセキュリティ体制で安心安全
Square 予約
Square 予約は、既存の会員管理システムから、顧客情報のインポートを簡単に行なえます。また、リマインダー機能を備えており、顧客が予約した日時が近づいたときに自動でメールやSMSを配信できます。モバイル端末向けアプリや専用リーダーを提供し、店舗型サービスを行っている業種でも使いやすいシステムです。
ポイント
- 既存システムから顧客情報のインポートが可能
- メールとSMSによる顧客へのリマインダー
- モバイル端末向けアプリ、専用リーダーを提供
フリーウェイ顧客管理
フリーウェイ顧客管理は、会員管理システムを初めて導入する企業でも使いやすいシンプルなデザインが特徴です。ExcelやGoogleスプレッドシートから顧客情報を手軽に構築できるので、作業の手間を最小限に抑えられます。無料版では顧客情報が3人まで共有可能で、社内での管理業務効率化にもつながります。
ポイント
- シンプルなデザインで初めての方も使いやすい
- Excelから手軽に顧客情報を構築
- 無料版では3人まで共有可能
事務作業の効率化におすすめな会員管理システム4選
次に、事務作業の効率化におすすめの会員管理システム4選を紹介します。
シクミネット
シクミネットは、顧客情報や自社のイベント情報を一元管理するシステムです。会費や参加費といった決済情報と連動し、顧客の支払状況が可視化されます。イベント申込画面の作成から、イベントの編集、申込状況の確認、顧客へメール送信などの流れをシステム内でワンストップで行えます。
ポイント
- 顧客情報やイベント情報を一元管理
- 決済との連動で支払状況が可視化
- イベントをワンストップで管理可能
サブスクペイ
サブスクペイは、サブスクリプションビジネスの売上アップに役立ちます。サブスク専用サイトを申し込みの構築が可能で、コストを削減しながら運用できます。高度な分析機能が特徴で、サイト内における顧客行動を追跡することで売上の最大化を狙えます。
ポイント
- サブスク申込サイトを簡単に構築
- 顧客行動の可視化で離脱率や解約率を軽減
- StandardプランとProfessionalプランから選択
会費ペイ
会費ペイは、入会を申し込んだ顧客情報を管理システムや請求管理システムに自動反映し、管理業務の簡素化が期待できます。顧客の決済方法も多種多様で、クレジットカード、コンビニ決済、口座振替などに対応しています。決済手数料のみがかかり、初期費用、月額利用料ともに0円です。
ポイント
- 自動反映による管理業務の簡素化
- クレジットカードやコンビニ決済などに対応
- 初期費用、月額利用料ともに0円
reservia
reserviaは、LINEと連携した会員管理システムで集客力の向上を狙えます。また、電話、メール、チャットによるサポート体制を提供しており、初めて会員管理システムを導入する企業でも安心できます。付帯機能に応じて、Basic SプランとAdvanceプランの2つから選べます。
ポイント
- LINEとの連携で効果的な集客を実現
- 充実したサポート体制で初めての方も安心
- Basic Sプランは月額21,000円(初期費用100,000円)
多機能な会員管理システム4選
豊富な機能を付帯した会員管理システム4選を紹介します。
SPIRAL®
SPIRAL®は、顧客情報をもとにマーケティング施策の運用構築や各種データの集計・分析、効果測定などを一括でサポートしています。また、第三者機関によるセキュリティ診断で最高評価を受けており、安心して導入できます。データ量に応じた従量課金制を採用し、月額料金は50,000円〜です。
ポイント
- マーケティング施策を一括でサポート
- 第三者機関のセキュリティ診断で最高ランクを獲得
- 初期費用100,000円、月額料金50,000円〜
WEBCAS CRM
WEBCAS CRMは、顧客情報のデータベースや会員登録フォームを簡単に作成できます。また、顧客属性によるターゲティング配信、LINEを使ったフォローアップ配信、再入荷したときのトリガー配信など、マーケティング活動の効率化も可能。多様なWebフォームの構築に対応しており、顧客満足度の向上にも役立ちます。
ポイント
- データベース作成からマーケティングまで一元化
- 多様なWebフォームの構築が可能
- 初期費用100,000円、月額費用25,000円〜
Prius Pro
Prius Proは、顧客情報の管理はもちろん、アンケート、クーポン、メルマガ配信機能を付帯しており、マーケティング活動の強化につながります。さまざまなマーケティング施策を介して、顧客単価のアップや集客力の向上を狙えます。美容室、エステサロン、飲食店、小売店など多種多様な業種への導入に対応しています。
ポイント
- マーケティング活動の強化による売上アップ
- 多種多様な業種に対応
- 初期費用5,000円、月額1,100円(30日間の無料体験付き)
SelectType
SelectTypeは、予約システム付きのサイトを構築できます。170種類以上のテンプレートを提供しており、各業種やサービス内容に応じてデザインを選べます。日本語以外にも、英語、中国語など多言語に対応し、外国人の集客にも役立ちます。
ポイント
- 予約システム付きサイトの構築が可能
- 170種類以上のテンプレートを提供
- 無料のフリープランや、機能に応じて有料プランを選べる
スポーツクラブ・フィットネスにおすすめな会員管理システム3選
続いて、スポーツクラブやフィットネスにおすすめの会員管理システム4選を紹介します。
hacomono
hacomonoは、スポーツジムやフィットネスクラブ、各種スクールといったリアル店舗のDX化に効果的です。顧客の来店予約から料金の決済までがスマホだけで完結し、店舗側での工数削減につながります。基本プランは月額35,000円〜で、クレジットカード決済オプションと口座振替のオプションがそれぞれ月額5,000円です(1店舗あたり)。
ポイント
- リアル店舗のDX化
- 来店予約から決済までスマホで完結
- 初期費用35,000円、月額35,000円〜
Physics Cloud
Physics Cloudは、フィットネス向けの会員管理システムです。会員のコンディションや指導内容の記録など、システム上にパーソナルデータを可視化します。クラウド型のサービスを採用しており、導入コストを抑えられます。
ポイント
- 会員のパーソナルデータを可視化
- 直感的なデザインで初めての導入でも安心
- クラウドサービスによる導入コストの削減
Smart Hello
Smart Helloは、電子サインによるペーパーレスの会員登録に対応しています。また、入退室両方を記録するチェックインアウト方式、入場のみ記録し退場は登録しないイン方式、バーコードを使ったセルフ式の入場など、運用形態に合わせて管理できます。初期費用は100,000円で、利用状況に応じて4つのプランから選択可能です。
ポイント
- 電子サインによるペーパーレスの会員登録
- 運用方法に合わせて入退室の管理が可能
- 初期費用100,000円、月額10,000円〜
特定の業界・領域におすすめな会員管理システム5選
最後に、協会や学会、団体など、特定の業界におすすめの会員管理システム5選を紹介します。
【団体・協会】スマートコア
スマートコアは、16のオプションを自由に組み合わせられるカスタマイズ性能に優れています。また、万全のセキュリティ体制が整っているほか、システム導入時のアドバイス、操作説明、サイトデザインの調整などのサポート体制も充実しています。2週間の無料トライアル付きで、本格的に導入する前にお試しで利用できます。
ポイント
- 自由度の高いカスタマイズ性
- 万全のセキュリティとサポート体制
- 初期費用0円(独自ドメインの場合は58,000円)、2週間の無料トライアル付き
【学会・団体】MMB
MMBは、会員情報や年会費管理を効率化するシステムです。システムを介した決済に対応しており、年会費の集金漏れを軽減できます。管理画面から会員情報の検索や編集がいつでも可能なほか、システムの導入・運用サポートも受けられます。
ポイント
- システムを介した決済による集金漏れの軽減
- 管理画面から会員情報をいつでも検索、編集可能
- 会員管理システムの導入、運用をサポート
【学会】SMOOSY
SMOOSYは、学会向けの会員管理システムです。学会サイトの新規立ち上げや更新を手軽に行なえます。また、会員情報の管理に加え、年会費の請求、入金情報を一元管理し、運用側での事務作業軽減につながります。初期費用は0円で、必要な機能ごとにプランの選択が可能です。
ポイント
- 学会サイトの立ち上げ
- 会員情報と年会費の請求、入金情報を一元管理
- 初期費用0円、月額10,000円〜
【サロン】RE:RE
RE:REは、サロン向けの会員管理システムです。LINE公式アカウントと連携し、顧客管理や予約管理を一元化します。また、LINEを通じたメッセージを配信することで、顧客とのコミュニケーションを取れるほか、SNS、商品ページへの誘導も可能です。
ポイント
- LINEと連携した顧客管理、予約管理を実現
- メッセージ配信による顧客満足度向上
- 初期費用0円、月額9,800円〜
【オンラインレッスン】WTE
WTEは、オンラインレッスン向けの会員管理システムで、スケジュール管理、レッスン管理、顧客管理、講師管理、決済管理など、さまざまな機能を搭載しています。また、ホームページ制作からライティング、広告運用、SEOといったマーケティング施策を提供し、集客力の向上を狙えます。万全のセキュリティ対策を整えているため、安全に使用できます。
ポイント
- 充実したオンラインレッスン管理機能を搭載
- 幅広いマーケティング施策を提供
- 万全のセキュリティ体制で安全に使用可能
会員管理システムは業界に合ったものから、必要な機能がそろったものを選ぼう
会員管理システムは、会員情報の管理業務を効率化するほか、マーケティング活動にも有効なツールです。顧客満足度の向上を目的に、メルマガ配信やチャット機能を付帯したシステムも検討しましょう。また、会員管理システムを選ぶ際には、自社の業種に適したシステムや、料金体系をチェックすることも重要です。無料のトライアル期間を提供しているシステムもあるので、導入時に確認してみてください。