高度情報社会といわれる昨今、ネットワークサービスを社内で24時間・365日利用できることは当然のこととして思われがちです。しかし、サーバーに接続できないという事態が発生することも珍しくなく、こうした事態が生じた場合には、大きなトラブルが生じると懸念されます。そこでおすすめできるのが、ネットワーク監視ツールです。本記事では、ネットワーク監視ツールとは何か解説したうえで、ネットワーク監視ツールを選ぶ際のポイントを紹介します。あわせて、おすすめのネットワーク監視ツールを7つ紹介します。
ネットワーク監視ツールとは?
ネットワーク監視ツールとは、ネットワークの通信状況に異常が発生していないか確認するためのツールです。ネットワーク監視ツールは、ネットワークにおける些細な兆候を感知し、通知してくれます。その他にも、不正アクセスや攻撃を監視する機能が搭載された製品も多いです。ネットワークにはWebアクセスやメールの送受信、ダウンロードなどさまざまなデータが保管されています。ネットワーク上でトラブルが発生すると、業務が停止したり、大切なデータを失ったりするため注意が必要です。ネットワーク監視ツールを導入しておくことで、トラブルの早期発見に繋がります。
ネットワーク監視ツールの機能
ネットワーク監視ツールの機能は下記の3つです。
- 情報機器の稼働情報の収集機能
- 情報機器の稼働情報の分析機能
- 分析結果を通知する機能
ネットワーク監視ツールのなかには、エージェントが収集を行った機器の稼働情報を収集できるものもあります。そして、収集した稼働情報に基づき、ネットワーク機器やサーバーなどのトラフィックの計算を行い、稼働状態の分析をします。分析が完了したら、ネットワーク管理者は稼働情報の分析結果を受け取れます。また、ネットワークの状態をより安全に保ちたい場合には、定期的なレポートとして通知が届くよう設定しておくとよいでしょう。
ネットワーク監視ツールの選ぶ際のポイント
ネットワーク監視ツールを選ぶ際のポイントは下記の3つです。
- サーバー監視も行えるか
- 提供形態・規模が自社にあっているか
- 効果的な運用を行えるか
それぞれ詳しく解説します。
ポイント1.サーバー監視も行えるか
社内システムにおいて監視が必要な機器や、監視対象の範囲と規模について事前に確認しておきます。監視の規模や範囲によって料金が大幅に前後しますので、コストの無駄を省くためにも、監視すべき機器や範囲を選定しておきましょう。ネットワーク監視ツールはオンプレミス型、クラウド型、アプライアンス型など提供形態はさまざまです。導入を行う規模によって、必要な構築環境は異なります。監視ツールを全社に導入するのか、それとも社内の一部に限定して導入するのかも決めておきましょう。
ポイント2.提供形態・規模が自社にあっているか
社内システムにおいてどの機器を監視するのか、監視対象の範囲や規模の把握を行ってください。監視ポイントの数や導入範囲によって利用料金は大きく変わりますし、適切なツールも異なります。ネットワーク監視ツールはオンプレミス型、クラウド型、アプライアンス型など、さまざまな提供形態があり、導入する規模によっても選択すべき構築環境は異なります。社内の一部システムのみネットワーク監視を導入するのか、全社的に導入するのか、導入の規模も事前に決めておくようにしましょう。
ポイント3.効果的な運用を行えるか
優れた機能の監視ツールであっても、社内で扱えなければ効果的運用を行えません。監視ツールを選定する際は、自社で扱えるツールであるかきちんと把握しておく必要があります。たとえば、クラウド型のネットワーク監視ツールは誰にとっても使いやすく、効果的に運用しやすいといわれています。簡単に設定できるため、導入後すぐに使いはじめることが可能です。対して、オンプレミス型のネットワーク監視ツールは設定や設計を自社で行う必要があるため、社内に知識を持つ人がいることが前提となります。
おすすめのネットワーク監視ツール7選
おすすめのネットワーク監視ツールは下記の7つです。
- OpManager
- パトロールクラリス
- Site24x7
- Enterprise Immune System
- システム運用監視サービス(24時間365日)
- X-MON
- Zabbix
それぞれ詳しく解説します。
OpManager
OpManagerは国内No.1のシェアを誇るネットワーク監視ツールです。国内実績は 2,500ライセンスを超え、官公庁や地方自治体など障害対応の迅速化を目指す組織が続々と導入しています。ネットワークやサーバーの他、Oracle DBなどのミドルウェアまで、エージェントレスで一元監視が可能です。
ポイント
- ネットワークやサーバー、データベースを監視できる
- マップを自動作成し、ネットワーク全体の状況を可視化できる
- 監視項目など初期設定を省略できる装置テンプレートが10,000以上搭載されている
パトロールクラリス
パトロールクラリスは国内4,000社以上の情報システム部門を支えています。効率的な運用を考慮した機能が一つにまとめられています。アラート通知の柔軟なコントロールも可能です。また、バージョンアップやエージェントのインストール作業といったメンテナンスは不要のため、多くの方にとって使いやすいはずです。
ポイント
- 必要な分のみ購入できるライセンス体系のため無駄がない
- 複数の製品でカバーしていたサーバ監視やネットワーク監視を一本化できる
- メンテナンスが不要のため稼働中のシステムを停止せずに導入できる
Site24x7
Site24x7は5分ではじめられるSaaS型監視ツールです。国内累計4,000サインアップを突破し、豊富な導入実績を誇ります。使い方が簡単ですので、機械操作に不安がある人も利用しやすいです。
ポイント
- サインアップは1分、監視設定は4分、通知設定は0分で完結
- 全世界100以上の監視ロケーションからHTTPS、POP、URLなどのインターネットサービスのパフォーマンスを監視する
- 料金プランが5つあり自社に合ったプランを選択できるため、コストの無駄がない
Enterprise Immune System
Enterprise Immune Systemは未知の攻撃や内部の脅威を早期発見できる自己学習型のサイバーAIテクノロジーです。ユーザーやデバイスの生活パターンの自己学習を事業全域において継続します。事前知識やシグネチャ、ルールに依存せず高度な攻撃であっても素早くキャッチします。
ポイント
- Office 365やAWS、Microsoft Azure、SharePointなど保護できる範囲が広い
- 迅速なインストールで、手動設定は不要
- AI Analyst が脅威レポートを数秒で自動作成する
システム運用監視サービス(24時間365日)
システム運用監視サービスは宅配便のヤマトグループが提供するサービスです。24時間365日システム運用監視サービスに対応しているため安心できます。インフラ設計構築やシステム運用、監視、保守、障害復旧対応などの情報システム業務全般がサポートの対象です。
ポイント
- 宅配便のシステムを40年以上支えているシステム運用のノウハウを活かしたシステム監視ツール
- 環境構築から運用や監視、ドキュメント作成、サポートデスクまでサポートに含まれる
- 24時間365日有人対応による安心の運用監視サービスを提供している
X-MON
X-MONは監視対象や規模に合わせて選べるラインナップを豊富に用意しています。データの収集や障害検知、通知・復旧に対応しています。その他にも、トラフィック監視やログ監視、リソース監視、AWS監視などさまざまな監視に対応しているため安心です。監視の状態を警告灯や音声、SMS、メールなどさまざまな方法で通知してもらえます。
ポイント
- セットアップウィザードやホストの設定、監視テスト機能など収集を行ったデータを多様な方法で可視化できる
- 管理機能を機能制限なしで利用できる
- 他社製品との連携が可能
Zabbix
Zabbixは世界中で利用されており、インストール数は300,000にもおよびます。あらゆる対象を監視する監視ツールです。ITインフラストラクチャーやアプリケーション、リソース、サービスなどのためのソリューションです。
ポイント
- 世界に通じるグローバルブランドとして多く利用されている
- エンドツーエンド暗号化認証による強固なセキュリティで安心
- ファイアーウォール越しの監視で分散監視を行っている
自社に必要な規模・機能があるネットワーク監視ツールを導入しよう
IT社会といわれる昨今、多くの企業においてさまざまなサービスにネットワークが繋がっています。現代社会では、業務システムや連絡手段、サービスにネットワークを切り離すことはできません。利便性に優れ、かつ業務を効率化するうえで欠かせないネットワークですが、障害が発生することも稀にあるでしょう。そうした場合、大損失に繋がったり、自社の信用にかかわる問題にまで発展したりすることもあるため注意が必要です。ネットワーク監視ツールを導入することで、トラブルや不正アクセスなどに逸早く気がつけるため、トラブルが大きくなることを回避できます。ネットワーク監視ツールにはさまざまな種類がありますので、自社に最適なツールを探してみてください。