みなさんは、お気に入りのブログやSNS、仕事でチェックしておきたいサイトをどのように管理されているでしょうか。ブックマーク設定したりアクセスをいちいちするのもわずらわしい方もいらっしゃるかもしれません。「手軽にチェックしたい情報を集めたい」と思う方も多いのではないでしょうか。そこで、本記事ではRSSフィードという仕組みを利用することによって、Webサイトの更新情報を簡単に取得できる方法をご紹介します。
フィードとは
まず、フィードという概念について説明します。フィードとは、ブログやニュースサイトなどの更新情報をまとめてデータ配信すること、おゆおびその配信データそのものを指します。このフィードの配信形式にはXML、RSS、Atomという文書フォーマットがあります。
XMLとは
XMLは、文章の見た目や構造を分かりやすくするマークアップ言語という開発言語の一種です。HTMLの元になった文書フォーマットであり、Web制作においてGoogleクローラーに発見してもらうためにXMLサイトマップを作成した経験がある方も多いかと思います。Webサイトやブログを運営していく際にも、フィードを提供することは、リピーターのサイト訪問者を増やす施策として重要なものの一つとなっており、この仕組みを理解しておくこと自体がとても有益なビジネス情報です。
RSSとAtomもXML形式で記述されたフィードですが、一般的にXMLサイトマップとRSSフィードもしくはAtomフィードを組み合わせることでSEO対策をより強化できると言われています。
RSSとは
RSSとは、Webサイトのニュースやブログといった各種の更新情報について、タイトル、内容の要約、更新された日付などを配信(フィード)するための文書フォーマットの総称です。単語の頭文字をとった略語ですが、RSSがバージョンアップする中で、以下に紹介する3つ正式名称が存在します。
- Rich Site Summary
- RDF Site Summary
- Really Simple Syndication
同じRSSと略されるので、少しややこしいのですね。また、複雑なので詳細は割愛しますが、RSSにはRSS 0.9、RSS 0.91、RSS 1.0の系統、RSS 0.92からRSS 2.0の系統、新しい配信形式のAtomといったようにフォーマットが変遷してきており、統一された仕組みの規格が複数存在しています。
規格については、それぞれ記述法や用途が異なるのですが、ユーザー側は特に意識することではないので、そういった歴史的変遷を経ているということだけ触れておきます。
Atomフィードとは
Atomフィードとは、2003年7月から開発が始まったWeb上の各種コンテンツを配信するための仕組みです。前述のように、Atomという規格は、もともとRSSとライバル関係にあるような配信形式なのですが、RSSの規格に関する歴史的変遷からRSSの新しい配信形式として採用され、現在はRSSの仲間であると捉えられるようになってきています。
Atomも配信フォーマットの総称
AtomもWebコンテンツ配信の文書フォーマットの総称であり、Atomフィードのフォーマットを規定するAtom配信フォーマット(Atom Syndication Format)とコンテンツを編集するためのプロトコルであるAtom出版プロトコル(Atom Publishing Protocol)という2つの仕様が存在します。
AtomとRSSの違い
AtomフィードとRSSフィードの違いは、ユーザー視点からみればバージョンの違い程度の差なのですが、配信できる内容や記述方法が異なります。Atomは、RSSの問題点を克服するために、データを自由にカスタマイズできるようにしたり、全ての人が自由に実装できるといった理念のもとに作成された仕様です。そのため、近年はAtomフィードを採用するWebメディアやブログが増えてきているのです。
RSSリーダーの仕組み
RSSフィードやAtomフィードを取得し、購読するためにはRSSリーダーというソフトウェアを使います。RSSリーダーとは、複数のサイトのURLを一元的に管理し、RSSフィードに関する情報を一括で管理することができるツールです。
おすすめのRSSリーダー
多くのRSSリーダーが開発・提供されていますが、本記事では人気の高い2つのツールをご紹介します。
Feedly
Feedly(フィードリー)は長い間支持され続けている人気のRSSリーダーの一つです。シンプルで使いやすい優れたインターフェイスで、ユーザーの使用目的や好みに合わせて表示方法を変更できるなど、カスタマイズ自由度が高いことでも非常に評価されています。
Feedlyはレスポンスが高速なのでサクサクと情報収集したい人におすすめのツールです。
Google Chrome、Firefox、Safariといった主要ブラウザに対応しています。また、iOSとAndroidの両方に対応しており、スーマートフォンやタブレットなど様々なモバイル端末で使用可能です。
Feedlyを解説 Feedlyは無料で使えるRSSサービスです。ブログやサイトの更新情報を手軽に受け取りたい場合、Feedlyは非常に役に立つサービスです。本記事では画像を交えながらFeedlyの使い方や活用方法を解説します。い[…]
Inoreader
Feedlyと人気を分けるRSSリーダーがInoreaderです。Feedyとは異なり、公式サイトが日本語対応されているので、英語が苦手という方も安心して利用を開始できます。Inoreaderもモバイルアプリも提供されており、iOSとAndroid両方に対応しています。
RSSフィードはもちろん、Twitter検索、Facebookページ、メールマガジン、ポッドキャストといった配信・更新情報もキャッチできるので、情報収集の作業効率が格段にアップします。また、ルールを設定することで該当する条件に合致した情報をプッシュ通知やメールで受け取ることも可能です。アクティブ検索を使えば、該当する投稿をフィードとして配信することもできます。さらに、フィルター機能によってフィードごとに、指定した条件に合致した記事の表示・非表示を切替えることができます。
SlackにRSSフィードを追加する
RSSフィードを他のツールと連携すると、さらに利便性が高まります。一例として、SlackにRSSフィードを追加する方法を紹介します。
Slackの公式ページからログインし、Appディレクトリの検索欄でRSSを検索する
SlackのAppディレクトリにある検索欄にRSSを入力し、RSSページにアクセスします。
「Slackに追加」をクリックする
RSSページにアクセスすると、上の画像のような画面に移行します。ここに表示されている「Slackに追加」というボタンをクリックします。
「RSSインテグレーションの追加」をクリックする
「Slackに追加」というボタンをクリックすると、上の画像のような画面に移行します。ここに表示されている「RSSインテグレーションの追加」というボタンをクリックします。
購読したいRSSフィードのURLを入力する
「RSSインテグレーションの追加」というボタンをクリックすると、上のような入力画面に移行します。フィードURLの欄に、購読したいフィードのウェブアドレスを入力し、フィードの更新情報を表示するチャンネルを選択したら、「このフィードを購読する」をクリックするとRSSフィードが追加できます。
RSSフィードが配信される
RSSフィードが追加されると、上記のようにチャンネルにRSSフィードが表示されるようになります。
おわりに
動画コンテンツが興隆してきており、Webメディアやブログなどの記事から情報収集する割合は減ってきているかもしれません。しかし、誰でも情報発信できるインターネットの世界では、常に新しい情報が生産され続けています。
また、Googleの検索アルゴリズムがアップデートされていく中で、優良な記事コンテンツの価値が高まっており、Webメディアやブログから情報収集する重要性が再認識されています。
したがって、ニュースアプリを利用するように、自分のお気に入りのブログや、仕事でチェックしておかなければいけないサイトの更新情報をまとめて管理できる環境を作っておくことは、ビジネスパーソンとして必須事項であると言っても過言ではありません。
その方法には様々なものがありますが、RSSリーダーは、情報収集の効率化を図りたい場合に、ぜひ導入しておきたいツールの一つです。本記事を参考にして自分の使いやすいリーダーを選んでみましょう。