昨今、コロナ禍の影響でビジネスチャットの利用が急速に進んでいます。本記事では、ビジネスチャットを導入する際のポイント、効果的な運用方法、おすすめのビジネスチャットを解説します。ビジネスチャットの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ビジネスチャットを導入する5つのメリット
メリット1.コミュニケーションの効率化
ビジネスチャットを活用すると、コミュニケーションが効率的になります。メールに比べて、簡単かつ迅速に情報共有が行えるためです。メールの場合、件名や挨拶文、結び、署名など型に沿った文章を作成しなければなりません。しかし、ビジネスチャットの場合は、定型の挨拶文は必要なく、要件のみの伝達が可能です。そのため、送り手・受け手の双方にとって時短となるでしょう。
メリット2.コミュニケーションの活性化
ビジネスチャットはコミュニケーションの活性化にもつながります。気軽に短文で相手とやりとりできるためです。文章量が減るため、互いのレスポンスが速くなります。会話のようにメッセージを送り合えることから、コミュニケーションもとりやすいでしょう。また、ビジネスチャットは、プロジェクトやテーマ別にグループチャットを作成できます。メールや口頭だった報連相をチャットに移行することで、伝達漏れを減らせるでしょう。
メリット3.情報の整理や検索がしやすい
ビジネスチャットでは情報の整理や検索がしやすくなります。スレッド機能やファイル管理機能、検索機能が搭載されているためです。メールの場合、業務と関係のないメールが受信ボックスに溢れかえってしまうこともあります。ビジネスチャットなら招待したメンバーのみのグループになるため、業務と無関係な情報が入り込んでくる心配はありません。グループ間でファイル管理機能や検索機能を使えば、情報を簡単に整理でき、かつ情報の検索も即座にできます。
メリット4.やり取りのエビデンスが残る
ビジネスチャットは記録やエビデンスとしても活用できます。電話や口頭でのやりとりで起こりがちなのは「言った、言わない」のトラブルです。エビデンスが残っていないと、主張を貫くのが難しくなるでしょう。しかし、ビジネスチャットなら、いつでも過去のやりとりを確認できます。口頭では記録に残らない情報も、ビジネスチャットなら後から見返せるのです。
メリット5.機能や連携ツールが豊富
ビジネスチャットは機能や連携ツールが豊富です。代表的なものは、ファイル管理機能やタスク管理機能、Web会議機能、既読機能などです。また、外部サービスと簡単に連携が取れるため、ツールによってはチャット上に自動通知を送ったり、外部ツールからログインして操作できたりするものもあります。
ビジネスチャットを導入するときの3つの注意点
注意点1.結局、メールも使うことになる
ビジネスチャットを導入しても、結局はメールを使うこともあります。同サービスを利用していない他部署の人や取引先、委託先との連絡は、メールにならざるを得ないからです。その結果メールとビジネスチャットの両方を使うことになるため、それぞれの使い方が定まっていないと無駄なコストが発生するケースもあります。
注意点2.公私の境目が曖昧になりやすい
ビジネスチャットのおかげで、公私の境目が曖昧になってしまうこともあります。運用ルールが整っていなければ、ビジネスチャット上でプライベートのやりとりをしかねないからです。利用時間や方法などを定めて、公私のメリハリをはっきりさせる必要があります。
注意点3.浸透するまでに時間がかかる
新たにビジネスチャットを導入すると、浸透するまでに時間がかかることもあります。利用経験のなかった人が慣れるまでには、時間がかかってしまうのは当然のことでしょう。どのような目的で、どのような場面で使えるツールなのかを明示し、積極的に利用してもらうように促すしかありません。
ビジネスチャットを効果的に運用する3つのコツ
コツ1.運用ルールやマナーをまとめる
導入する前にビジネスチャットの運用ルールやマナーをまとめておくことが重要です。運用ルールが明確にしないままビジネスチャットを導入すると、コミュニケーションラインが複雑になり、無駄なコストを発生させてしまうためです。ルールやマナーの具体例として、業務連絡のみにする、定型挨拶は不要、適切なチャンネルやルームで連絡する、などが挙げられるでしょう。自社に適したルールやマナーを検討してみてください。
コツ2.メールや通話アプリと使い分ける
ビジネスチャットを導入するなら、メールや通話アプリとの使い分けが必要になります。一般的には社内連絡、複数人に周知する必要がある場合は「チャット」、社外連絡やエビデンスを残す場合なら「メール」、非常に緊急性が高い場合は「通話アプリ」などの使い分けが考えられるでしょう。
コツ3.他ツールとの連携機能を活用する
運用中の他ツールと連携することで、より効率的に業務を進められます。導入を検討しているビジネスチャットが、すでに運用している他ツールやサービスと連携可能か否かを確認してみてください。他ツールと連携できるビジネスチャットを選ぶことで、さらなる業務効率の向上が期待できます。
ビジネスチャットを比較する5つのポイント
ポイント1.無料でどこまで使えるか
まず無料でどこまで利用できるかを把握することは重要です。無料版と有料版では、機能や制限が異なるからです。サービスによって制限が厳しいものから十分な機能を搭載しているものまであります。自社がビジネスチャットに何をどこまで求めるのかを明確にしてから、無料版の比較をはじめましょう。
ポイント2.市場シェアはどのくらいか
導入を検討しているビジネスチャットがどれほどの市場シェアを占めているのかに関しても、ひとつのチェックポイントになります。利用者が多ければ多いほど、ユーザーから信頼されていて、セキュリティ面も担保されているといえるでしょう。また、社外の取引先や業務委託先でも同じビジネスチャットを利用していれば、やりとりが簡易的になります。市場シェアが大きいビジネスチャットを導入すれば、導入後の社内・社外のコミュニケーションがより円滑になるでしょう。
ポイント3.必要な機能が揃っているか
次に必要な機能が揃っているかという点です。無料版であれ有料版であれ、どこまで何を求めるかによって必要になる機能は異なってきます。これだけは外せないという機能があるのなら、その機能が搭載されているかを事前にチェックしておくことをおすすめします。
ポイント4.モバイル端末でも見やすく使いやすいか
モバイル端末からでも利用しやすいという点も重要です。ビジネスチャットはネット環境が整っていれば、いつでもどこからでもアクセスできるところが利点だからです。そのためモバイル端末での利便性の高さは、利用機会の増加につながります。公式HPからモバイル端末の利用時を確認しておきましょう。
ポイント5.セキュリティやサポートは十分か
セキュリティやサポートは十分かどうかも外せない比較ポイントです。場合によっては取引先や委託先と機密情報をやりとりすることもあるでしょう。そのため、基本的に多くのビジネスチャットでは「暗号化」や「IPアドレス制限」「端末認証」「ログ保存」「ユーザー管理」「SSL通信」などの厳格なセキュリティ対策が講じられているので、サービスごとに確認は必要です。
3大ビジネスチャットを徹底比較
社内連絡だけでなく、社外とのやりとりまで考慮すると、市場シェアは重要な選定基準のひとつになるでしょう。ここからは市場シェアの高い3つのビジネスチャットをご紹介します。
【扱いやすさを追求するなら】Slack
ビジネスコミュニケーションに特化したチャットツールとして利用されているSlack(スラック)。今や多くの企業がコミュニケーションツールとして導入しています。Slack(スラック)の導入を検討するなら、機能やメリットなどといった基本的[…]
強みは、遠隔コミュニケーションに役立つ機能が搭載されていることです。コミュニケーションからデータ、ツールまでを一か所で集約できるため、共同業務が進めやすくなります。個人や組織、顧客、プロジェクト別にチャンネルを設定できるため、話題の整理、重要な情報の共有や検索が簡単に行えます。また、外部ツールやアプリと連携できる種類が多く、カスタマイズ性が高いのも特徴です。連携できるアプリは2,400点以上を超えており、GoogleやSalesforce、ServiceNowなどの提携パートナー企業との連携ツールも可能です。スマホアプリにも対応しています。
- フリー:0円/月
- プロ:850円/月(年払い:1ユーザーにつき)
- ビジネスプラス:1,600円/月(年払い:1ユーザーにつき)
- Enterprise Grid:営業担当者にお問い合わせ
企業名 | Slack Technologies, Inc. |
設立年 | 2009年 |
日間アクティブユーザー数 | 1,200万以上(2021年7月現在) |
本拠地 | 米国(サンフランシスコ) |
Slack Technologies, Inc.
Slack は、チームとコミュニケーションを図るための新しい手段です。メールよりも速く、整理され、安全な方法で実現できます。
【国産ツールを使いたいなら】Chatwork(チャットワーク)
Chatworkは国内で知名度が高い国産のビジネスチャットツールです。2021年7月時点で、導入企業は321,000社を超えており、社内外でのやりとりが多い企業におすすめです。Chatworkはグループチャットやタスク管理、ファイル管理、ビデオ通話などの機能を搭載しており、メール、電話、会議など仕事に欠かせないコミュニケーションを効率的にします。
ビジネスコミュニケーションに特化したチャットツールとして、人気を誇っているChatwork(チャットワーク)。チャット機能だけではなく、タスク管理機能やファイル管理機能など、ビジネス面で活躍してくれる機能が揃っていることが特徴です。では、い[…]
Slack同様、スマホアプリにも対応しています。ChatworkはSlackとは異なり、日本の企業が開発していることから、テクノロジーに精通していない人でも使いやすいように配慮されているのが特長です。Googleや人事労務システム、経費精算システム、SNS、クラウドサービスなどとも連携できます。中小企業向けのビジネスチャットを謳っていますが、大企業や教育機関での導入実績も豊富です。
- フリープラン:0円/月
- ビジネスプラン:500円/月(1ユーザーにつき)
- エンタープライズ:800円/月(1ユーザーにつき)
企業名 | Chatwork株式会社 |
創業年 | 2000年 |
導入企業数 | 321,000社以上(2021年7月現在) |
本拠地 | 日本(大阪) |
Chatwork株式会社
Chatwork(チャットワーク)はメール、電話、会議・訪問など仕事で必要なコミュニケーションをより効率的にする国内利用者数No.1 の中小企業向けビジネスチャットです。
【Microsoftをよく使うなら】Microsoft Teams
Microsoft Teamsは、マイクロソフト社が提供するビジネスチャットです。Office365とのシームレスな連携によって、ビジネスコミュニケーションがさらに円滑になります。海外とのやりとりが多い、あるいはOffice365やWord、Excel、PowerPointなどの利用頻度が高い企業におすすめです。
チーム内のコミュニケーションをより活発に、スムーズにしてくれるビジネスチャットツール。チャットや会議、通話、ファイルの管理がひとつで完了するほど便利なことはありませんよね。Microsoft Teams(マイクロソフトチームズ)は、チャット[…]
Skype for Businessというコミュニケーションツールの後継として、2017年にMicrosoft Teamsが提供されました。Skype for Businessの機能に加え、スレッド機能や外部ツールとの連携など、コミュニケーションに必要な機能が追加されています。
- Microsoft Teams:無料
- Microsoft 365 Business Basic:540円/月(1ユーザーにつき)
- Microsoft 365 Business Standard:1,360円/月(1ユーザーにつき)
- Office 365 E3:2,170円/月(1ユーザーにつき)
企業名 | Microsoft Corporation |
創業年 | 1975年(Teamsは2017年にローンチ) |
日間アクティブユーザー数 | 1億4,500万人(2021年4月現在) |
本拠地 | 米国(ワシントン) |
日本マイクロソフト株式会社
Teamsはチームワークを実現する安全なコラボレーション プラットフォーム。リモート ワーク、テレビ会議、インスタント メッセージング、グループ チャットの利用ができます。
無料で使えるビジネスチャット4選
LINE WORKS(ラインワークス)
コミュニケーションツールとして多くの人が利用しているLINE(ライン)。そのビジネス版があることはご存知でしょうか。ビジネスチャットツールは今や仕事をするうえで欠かせないものとなっています。ビジネス版のLINE(ライン)と言われるLINE […]
多くの人が普段から利用しているLINEだからこそ、導入障壁が低く、コミュニケーションのスピードも加速するでしょう。グループで共有できるノートや予定、フォルダ機能があります。
企業名 | ワークスモバイルジャパン株式会社 |
設立年 | 2015年 |
本拠地 | 日本(東京) |
ワークスモバイルジャパン株式会社
ビジネス版LINE「LINE WORKS(ラインワークス)」ならチャット機能はもちろん、メール、カレンダー、ファイル管理など、グループウェア機能も使えます。PCだけでなくスマホでもフル機能が使えるので、働き方改革に有効です。
Chat&Messenger
企業名 | 株式会社Chat&Messenger |
設立年 | 2017年 |
本拠地 | 日本(東京) |
株式会社 Chat&Messenger Chat&Messengerは、ビジネスチャット、Web会議、ファイル共有、スケジュール管理を統合したグループウェアです。IP Messengerとの互換性も持ち合わせており、ビジネスパーソン向けに効率的なコミュニケーションをサポートするサービスです。
Parque talk(パルケトーク)
Parque talk(パルケトーク)は2022年9月にリリースされた仕事やコミュニテ
企業名 | 株式会社パルケ |
設立年 | 2020年 |
本拠地 | 日本(東京) |
- メッセージの閲覧制限、
グループトークの作成制限がない - 招待リンクやQRコードで簡単につながり、
登録はメールアドレスのみ - 未読・既読機能はなく、ストレスフリーに利用できる
株式会社パルケ(Parque Inc.) Parque talk(パルケトーク)は、ビジネスパーソン向けのコミュニケーションアプリです。リモートワークやパラレルワークの浸透に伴い、時間や空間に縛られずにコラボレーションを進めるためのツールとして提供されています。特に、プロジェクトごとに人が集まって作業を進める際に有効で、業種や職種、趣味などを問わず多様なコミュニティでの利用が期待されています。
Typetalk(タイプトーク)
企業名 | 株式会社ヌーラボ |
設立年 | 2004年 |
本拠地 | 日本(福岡) |
グローバル企業におすすめのビジネスチャット3選
Workplace from Meta
企業名 | Facebook, Inc. |
設立年 | 2004年 |
本拠地 | 米国(マサチューセッツ) |
Workplace from Metaは、ビジネスコミュニケーションを効果的に行うためのプラットフォームです。グループ、ニュースフィード、情報ライブラリなどの機能を通じて、社員間のコミュニケーションを活性化させることができます。特に、リモートワークや多拠点での業務を行う企業にとって、効果的なコミュニケーションツールとしての価値が高まっています。
WowTalk(ワウトーク)
企業名 | ワウテック株式会社 |
設立年 | 2011年 |
本拠地 | 日本(東京) |
キングソフト株式会社 WowTalk(ワウトーク)は、ビジネスチャット・社内SNSを提供するサービスで、コミュニケーション活性化を目指しています。特にビジネスパーソン向けに設計されており、効率的なコミュニケーションをサポートする機能が豊富に備わっています。
VoicePing
企業名 | P2P株式会社 |
設立年 | 2019年 |
本拠地 | 日本(東京) |
セキュリティが強固なビジネスチャット3選
LumApps
企業名 | LumApps |
設立年 | 2012年 |
本拠地 | フランス |
ChatLuck
企業名 | 株式会社ネオジャパン |
設立年 | 1992年 |
本拠地 | 日本(神奈川) |
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企業名 | 鈴与シンワート株式会社 |
設立年 | 1947年 |
本拠地 | 日本(東京) |
小売や建設などの店舗・現場を把握するのにおすすめのビジネスチャット3選
direct
企業名 | 株式会社 L is B |
設立年 | 2010年 |
本拠地 | 日本(東京) |
はたLuck
企業名 | ナレッジ・マーチャントワークス株式会社 |
設立年 | 2017年 |
本拠地 | 日本(東京) |
Oplus
企業名 | Oplus株式会社 |
設立年 | 2018年 |
本拠地 | 日本(東京) |
コミュニケーション活性化に役立つビジネスチャット3選
Talknote
企業名 | Talknote株式会社 |
設立年 | 2010年 |
本拠地 | 日本(東京) |
InCircle
企業名 | 株式会社DXクラウド |
設立年 | 2021年 |
本拠地 | 日本(東京) |
THANKS GIFT
企業名 | 株式会社Take Action |
設立年 | 2010年 |
本拠地 | 日本(東京) |
株式会社Take Action THANKS GIFTは、組織の生産性やエンゲージメントを向上させる目的で提供されるクラウドサービスおよびコンサルティングサービスです。このサービスを通じて、感謝の気持ちを相互に伝え合うことで、社内のコミュニケーションが活性化し、より良い社内文化が築かれます。その結果、組織全体の生産性やエンゲージメントが向上します。
機能が豊富なビジネスチャット3選
kintone(キントーン)
企業名 | サイボウズ株式会社 |
設立年 | 1997年 |
本拠地 | 日本(東京) |
kintoneは、ビジネスチャット特化のサービスというよりはグループウェアサービスの機能の1つとしてチャットも可能であるという構成になっています。
企業にとって、今や必要不可欠なツールとして定着しつつあるグループウェア。 しかし、いざ導入しようと思っても、種類が多すぎて選びきれないと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 本記事では、グループウェアの機能やメリット[…]
Tocaro
企業名 | 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 |
設立年 | 1972年 |
本拠地 | 日本(東京) |
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 Tocaro(トカロ)は、仕事のプロセスを可視化し、理想的なビジネス環境を構築することで生産性を大幅に向上させるワークプロセスマネジメントプラットフォームです。このサービスは、チャットやファイル共有だけでなく、タスクやワークフローなど、仕事を完遂するための機能を一つにまとめて提供しています。
Aipo
企業名 | TOWN株式会社 |
設立年 | 2004年 |
本拠地 | 日本(東京) |
機能や連携ツールを確認し、業界・職種に合ったビジネスチャットを導入しよう
今回紹介してきたように、ビジネスチャットにはさまざまな種類があります。各サービスが持つ特徴や強みも、それぞれ異なります。まずは、自社の求める機能や連携ツールを確認してから、適切なビジネスチャットを選ぶことが大切です。本記事を参考にしながら、自社に最適なビジネスチャットを選定してください。
本記事ではチャットサービスDiscord(ディスコード)について解説をします。Discordはもともと「ゲーマー向け」に作られているツールですが新型コロナウィルスの影響によるリモートワーク普及をきっかけに注目が集まっています。本記事を読むこ[…]
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