Pinterestは「情報収集と検索」のサービスで、その利便性からユーザー数が急増しているプラットフォームです。2022年6月に広告配信もできるようになったことから、ビジネスユースも増えており、効果的なマーケティングツールとして注目度も高まっています。本記事では、Pinterestの概要や基本機能、注目されている理由、ビジネスで活用する場合のメリット、登録方法などを詳しく解説します。Pinterestをマーケティングに活用しようと検討しているなら、ぜひ参考にしてみてください。
Pinterest(ピンタレスト)とは?
Pinterestは、ファッションや料理など、自分の興味のある画像や動画を、発見や保存、共有できる「情報収集・ビジュアル探索ツール」です。2010年のリリース以降、急速に拡大を続け、2022年9月現在のグローバル月間利用者数は4億4,500万人に達しています。日本国内でも月間利用者数は870万人(2020年12月)にのぼり、前年比1.6倍もの成長を遂げています。テキスト情報よりも画像や動画のインパクトある訴求で、商品の認知拡大やブランディングなどの効果を期待できるため、企業にも幅広く利用されています。ビジュアルによるブランディングや、企業イメージの形成にも役立つことでしょう。また情報感度の高いユーザーがPinしたり検索したりすることから、トレンドを反映しているツールともいえます。
参考記事
Pinterest(ピンタレスト)の日本における認知率は53.5%、現在の利用率は18.5% | Pinterestの利用状況に関するアンケート調査(2023年6月)
Instagramとの違い
PinterestとInstagramは両者ともに画像や動画を扱うプラットフォームですが、特徴が大きく異なります。Pinterestは画像や動画を検索して「情報収集」することが目的であるのに対し、Instagramは「情報発信」することが主たる用途です。また、Instagramでは画像・動画の投稿はできても、拡散はできません。一方、Pinterestには「Repin」という機能があり、Twitterのように投稿を共有できます。さらに、Instagramでは投稿にリンクを貼っても単なる文字列となりリンクとして機能しませんが、Pinterestではピンした画像に対して外部リンクを貼れます。Instagramと違って拡散ができ、サイトへの流入を強化できるため、よりビジネス利用に向いているといえるでしょう。
Pinterestが注目されている背景
Pinterestは、2012年に楽天が約40億円の出資を行い、2013年にピンタレストジャパンが設立されました。2014年には電通が戦略的パートナーとして業務提携を行い、2022年6月1日からはPinterest上に掲載できる運用型広告の「ピンタレストアド」がスタートしました。日本でのビジネス活用の基盤が整い、利用者増だけでなくビジネスユースも急増しつつあります。Pinterestが注目される理由としては、InstagramやTwitterと比べ、Webマーケティングに活用できる可能性が高いという点が挙げられます。特にビジネスユースにおいては、以下のようなメリットがあります。
多様なビジネスジャンルに効果がある
Pinterestは、インテリア、アパレル、美容、料理、旅行、マネーや投資などのジャンルで調べるユーザーが多く、多様なビジネスジャンルと親和性が高いツールです。インパクトあるビジュアルによる訴求で、商品やサービスの認知拡大や購入の動機付けに効果を期待できます。
購買力のあるユーザーにアプローチできる
Pinterestユーザーの年齢層は20~60代と幅広く、特にZ世代やミレニアル世代の20代~40代が多く利用していることから、購買力が高い世代へのアプローチを強化できます。
ユーザーの情報収集率や意欲が高い
Pinterestのユーザーは、検索エンジンと同様に情報を求めて検索します。情報収集欲や感度が高いユーザーなので、視覚的なインパクトを与えることで広告のクリック率も高まることでしょう。企業アカウントのPR目的で作成されたBoardでも、インパクトある写真やセンスの良い動画、キュレーションとしての利便性を高めれば、企業やブランドのイメージアップにもつながります。
ECサイトと容易に連携できる
Pinterestのビジネス向け機能に「リッチピン」があります。クリックすると、画像の上下に追加情報が表示され、自社のWebサイトと自動的に同期できる機能で、レシピリッチピン、記事リッチピン、プロダクトリッチピンの3種類があります。プロダクトリッチピンでは、商品の画像に対して最新価格や在庫状況などの情報をリアルタイムで表示できます。ユーザーはおすすめのコーディネートを見ながら欲しい商品画像をクリックすれば、ECサイトサイトに飛び、そのまま購入できることになります。ファッションに関心が高いユーザーならPinterestをお買い物リストとして利用していることも多く、企業にとっては有効なマーケティングツールとなります。
ユーザー参加型の施策を打ちやすい
企業は自社のBoardを公開するだけでなく、個人が集めた画像や動画を「Repin(シェア)」することもできます。自社ブランドの画像をタグ付け機能で募り、適切な画像をRepinすることで拡散が可能です。また、「グループBoard」機能でユーザーを集め、ファンコミュニティを形成することで、顧客ロイヤルティやLTV向上につなげられます。最近重視されているファンマーケティングの実践にも、Pinterestが有効といえます。
アナリティクスを活用できる
Pinterestでビジネスアカウントを持つと「Pinterestアナリティクス」を利用でき、アクセスデータやクリック計測などが可能となります。データを元にPDCAを回して、効果的で効率的なマーケティング活用が実現します。
Pinterestの主な機能
Pinterestには、以下のような基本機能が備わっています。
画像や動画をPin(集める)する
最も基本となるのが「Pin(集める)」することです。Pinterestアプリに表示されるホームフィードで気に入った画像や動画を見つけたときに、Pinをして集めていきます。Pinterestの利用を繰り返すと独自の機械学習により、ユーザーの好みにカスタマイズされたピンが自動で表示されるようになります。また、検索ボックスで探したいピンを見つけられるほか、ピックアップタブではトレンドのピンが紹介されるため常に新しい発見も期待できます。
画像や動画をRepin(シェア)する
Pinterestには、TwitterやFacebookと同様の「Repin(シェア)」という拡散機能もあります。ほかの人がPinした画像や動画を、自分のBoardに張り付けられます。
画像や動画にLike(いいね)する
気になった画像や動画があれば、「Like(いいね)」もできます。PinやRepinが選択したBoardに保存されるのと異なり、LikeはLikeページで保存されます。Likeページはお気に入りフォルダのイメージなので、自分好みの画像や動画はまずはLikeして、Likeページを選んでRepinするような使われ方が多くなっています。
Boardに画像や動画を保存する
作成したPinや保存した他人の画像・動画を、「Board(ボード)」を作成して保存・整理ができます。Boardは公開・非公開を設定でき、公開されているBoardはフォローも可能です。
Boardをフォローする
Pinterestではアカウントはもちろん、好みのBoardのみをフォローができます。フォローしているアカウントのBoardの中に好みと異なるものがあっても、フォローしたいBoardのみを選択できることになります。
Pinterestで作成できる2つのアカウント
Pinterestでは個人アカウントのほか、機能が豊富なビジネスアカウントを作成できます。
個人アカウント
情報収集がメインとなるのが個人アカウントです。無料で作成でき、基本機能を利用できます。
ビジネスアカウント
ビジネスアカウントも無料で作成ができ、情報拡散や自社サイトへの流入などマーケティング活用を目的に使われるため、個人アカウントよりも多くの機能を利用できます。Pinterestアナリティクスというデータ分析機能も活用すれば、効果的なマーケティング活動が可能となります。ビジネスアカウントは新規登録のほか、個人アカウントからビジネスアカウントに切り替える方法もあります。
Pinterestに登録する方法
最後にPinterestに登録する方法を、個人アカウント、ビジネスアカウントのそれぞれについて解説します。
個人アカウントの登録方法
STEP1.Pinterestにアクセスする
Pinterestのサービスサイトにアクセスして、「無料登録」を選択します。
STEP2.アカウントの登録方法を選ぶ
メールアドレス・パスワード・年齢を登録するか、Facebook・Google・LINEのいずれかのアカウントで登録します。
STEP3.ユーザー名、性別、言語を選ぶ
メールアドレスとパスワードを入力して進めると、ユーザー名や性別、言語などを求められます。入力を終えたら「保存する」ボタンを押します。
STEP4.興味のあるカテゴリを5つ選ぶ
トピックを5件選択して「完了」をクリックします。以上で、個人アカウントの登録完了です。
ビジネスアカウントの登録方法(新規登録の場合)
STEP1.Pinterestにアクセスする
Pinterestのサービスサイトにアクセスして「無料登録」を選択し、「ビジネスアカウントを作成する」をクリックします。
STEP2.プロフィールを作成する
「アカウントを作成」をクリックして「プロフィールを作成する」フィールドを入力し、「次へ」をクリックします。
STEP3.業種を選ぶ
「業種」フィールドを入力し「次へ」をクリックして、広告掲載を検討しているかどうかを選択して「次へ」をクリックします。
STEP4.始めたい項目を選ぶ
始めたい項目を選択肢から選ぶか「 x 」をクリックして、新しい Pinterest ビジネスアカウントに移動します。これでビジネスアカウントを作成できました。
Pinterestを使ってトレンド調査やブランディングをしてみよう
Pinterestは利用者が急増しており、広告配信も可能になったことからビジネスユースも増え始めているプラットフォームです。情報感度の高いユーザーが多く利用していることから、Pinされている画像や動画をチェックすることでトレンドを把握できます。また、テキストよりも訴求力が高い画像や動画なので、効果的なブランディングや企業イメージアップを期待できます。ビジネスアカウントを作成すればさまざまな機能を利用でき、さまざまなマーケティング活動に役立てられるでしょう。特にミレニアルやZ世代へのアプローチを強化したいなら、Pinterestの活用を検討してみましょう。
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