近年、多くの企業においてコンプライアンスに対する意識が高まっています。こうした流れの中で、契約関係や取引関係に入る相手に対して、反社会的勢力ではないかチェックを事前に行うことの重要性が増しています。とはいえ、反社チェックについて方法が分からなかったり、手間に感じたりする企業も少なくないでしょう。そこで本記事では、反社チェック(コンプライアンスチェック)の概要や方法を押さえた上で、おすすめの反社チェックツールを紹介します。
- 1 反社チェック(コンプライアンスチェック)とは?
- 2 反社チェック(コンプライアンスチェック)を行うメリット
- 3 反社チェック(コンプライアンスチェック)を行う際の注意点
- 4 反社チェックのやり方
- 5 反社チェックツールを導入する際のポイント
- 6 おすすめの反社チェックツール13選
- 6.1 2分で完了、反社チェックの自動化-AUTORO 反社チェック
- 6.2 与信審査をスピーディにシンプル操作-アラームボックス パワーサーチ
- 6.3 反射チェックを簡単・スピーディーに-RISK EYES
- 6.4 信頼性の高いビジネス情報をより早くより安く-Gチェッカー
- 6.5 リスクマネジメントを進化させ事業を加速-sansan
- 6.6 コンプライアンスチェックの作業が楽になる-RoboRobo
- 6.7 迅速・効率的なリスク管理ツール-日経リスク&コンプライアンス
- 6.8 迅速かつ簡単に反社チェックが可能-DQ 反社チェック
- 6.9 広範囲なリスク情報を効率的に分析-RiskAnalyze
- 6.10 明確な定義で反社チェックを実現-minuku
- 6.11 視覚的にリスクを把握、反社チェック効率化-反社チェックヒートマップ
- 6.12 1ユーザー100件まで無料で利用できる-リスモンかんたんコンプラナビ
- 6.13 警察関連情報は国内唯一保有-反社DB 即時検索
- 7 反社チェックツールを使ってコンプライアンスを守ろう
反社チェック(コンプライアンスチェック)とは?
反社チェック(コンプライアンスチェック)とは企業が取引や契約に入る前に、相手が反社会的勢力と関係をもっていないかチェックすることです。反社チェックは企業独自の判断で行うものではなく、国の指針として公表されているものです。2007年、法務省は「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」の中で、反社会的勢力が証券取引や不動産取引などの経済活動によって資金獲得活動を巧妙化していると述べています。反社会的勢力と結び付いている企業には暴力、あるいは詐欺的手法で不当な要求を受けたり、自社を乗っ取られたりする危険性があります。自社の存続を守るためには、相手と新しく関わる前に反社チェックを行うことが不可欠です。
反社チェック(コンプライアンスチェック)を行うメリット
反社チェックを企業が行うことでどのようなメリットを具体的に得られるのでしょうか。反社チェックを行うメリットは以下の2つです。
- 暴力団排除条例の違反を防げられる
- ブランドイメージの低下を避けられる
それぞれについて詳しく解説していきます。
暴力団排除条例の違反を防げられる
各都道府県において暴力団排除条例が2009〜2011年にかけて制定されました。暴力団排除条例では反社チェックの実施や解除権を有した反社条項の設定の努力義務の他、暴力団関係者に対する利益供与禁止について定められています。反社チェックを実施することで暴力団との関わりを防ぎ、企業の信頼を保ち続けられます。
ブランドイメージの低下を避けられる
ほとんどの消費者が反社会的な勢力と結びつきのある企業に対して不信感を抱きます。普段利用している企業と反社会的勢力との関わりに気付いた消費者の中には、その企業の商品やサービスを利用しなくなる人も少なくありません。また、反社会的勢力との関係が明るみにでたことをきっかけに、銀行融資を止められたり、取引をしている企業との関係性が崩壊したりすることもあります。
反社チェック(コンプライアンスチェック)を行う際の注意点
反社チェックを行う際には留意すべき注意点もあります。反社チェック実施における注意点として、以下の2つが挙げられます。
- 一度のチェックで安心せず、定期的にチェックする
- 複数の反社チェックのやり方を組み合わせて行う
それぞれについて詳しく解説していきます。
一度のチェックで安心せず、定期的にチェックする
反社チェックは一度したら終わりではなく、定期的にチェックしなければなりません。たとえば、一度目のチェック時には不信な情報が出てこなかった相手でも、期間を置いてチェックすると新たな情報が出てくることもありえます。また、自社と契約など関係を結んだ当初は反社会的勢力との関係をもっていなかったとしても、その後で反社会的勢力と関係を結んでいる可能性もないとは言い切れません。
複数の反社チェックのやり方を組み合わせて行う
反社チェックの方法にはいくつもの方法があります。一つの反社チェックだけでは見えてこない情報や明らかにならない情報もあるので、複数のやり方を組み合わせて行うと効果的です。複数の反社チェックを組み合わせることで、さまざまな観点からチェックを行えるため、より精度の高い結果を得られると期待できます。
反社チェックのやり方
企業が反社チェックを行うことの重要性を理解しつつも、どのような方法で行えばよいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。反社チェックのやり方として以下の3つが挙げられます。
- 無料のGoogle検索で個人や従業員を調べる
- 調査会社、行政機関に依頼する
- 反社チェックツールを使用する
それぞれについて詳しく解説していきます。
方法1.無料のGoogle検索で個人や従業員を調べる
検索バーに反社、暴力団などといった言葉にあわせて取引先や人物の名称を入力することで、反社チェックを無料で行えます。検索時に反社会的勢力と結びつく言葉を多く盛り込むことで、確認したい情報にアクセスできる可能性が高まります。たとえば、「企業名 反社」と検索するよりも、「企業名 反社 容疑」と検索する方が、情報へのアクセスが絞り込みによって容易になります。
方法2.調査会社、行政機関に依頼する
調査対象者と反社会的勢力との関わりについて知りたい場合、調査会社や行政機関に調査を依頼することもできます。特に、公知情報の検索によって危険度が高いと感じた場合は、公益財団法人暴力団追放運動推進都民センターなどの行政機関に相談してみてください。相談に出向く際には該当する人や企業の情報、反社の可能性があると判断した資料を持参するようにしましょう。自社での対応が難しいケースもありますので、行政機関への相談がおすすめです。
方法3.反社チェックツールを使用する
反社チェックツールを使用することで、これまで手作業で行っていた反社チェックも自動化できます。反社チェックを行う際にかかっていた時間や手間を大幅に削減できる他、調査の精度も高められます。
反社チェックツールを導入する際のポイント
反社チェックには反社チェックツールの利用が便利ですが、ツールの効果を最大限実感するにはポイントを押さえて導入しなければなりません。反社チェックツールを導入する際のポイントは以下の3つです。
- ツールの調査範囲が自社にあっているか
- 関連性の高い情報をスクリーニングできているか
- ランニングコストや導入コストが予算内か
それぞれについて詳しく解説していきます。
ポイント1.ツールの調査範囲が自社にあっているか
反社チェックツールと一口でいっても、各ツールによって調査範囲は異なります。対応している調査範囲を確認し、自社の調査目的を達成できるツールであるか確認するようにしましょう。たとえば、第一段階として広範囲にチェックしたい場合には、インターネット上の情報を広く収集できるツールがよいでしょう。また、グローバル企業であれば海外のデータベースにアクセスできるものがおすすめです。暴力団との関係性が疑われる場合には警察系のデータベースを照会できるツールが効果的です。
ポイント2.関連性の高い情報をスクリーニングできているか
反社チェックツールでは膨大な情報を収集できます。その一方で、担当者は調査結果を一つずつ精査していかなければならないため手間や負担を感じることもあるでしょう。スクリーニング機能が備わっているツールであれば、目視チェックの優先順位の振り分けを行ってくれるため確認作業を効率的に進められます。
ポイント3.ランニングコストや導入コストが予算内か
反社チェックツールを導入する際は機能や利便性の高さだけでなく、ランニングコストや導入コストについても考慮するようにしましょう。高価なツールは機能が充実している傾向にあるものの、企業によってはオーバースペックになったり、操作が複雑で使いこなせなかったりということもありえます。また、ランニングコストが予算を超えてしまうと、費用面から長期的に使い続けることが難しくなることもあります。
おすすめの反社チェックツール13選
反社チェックツールには多くのツールがあるため、どのツールがよいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、13のおすすめの反社チェックツールを紹介していきます。
2分で完了、反社チェックの自動化-AUTORO 反社チェック
AUTORO 反社チェックを導入することで反社チェックを自動化できます。現在利用しているシステムやサービスとの連携も行えるため、担当者は結果の確認のみでインターネット上の情報についてスクリーニングを完了できます。
ポイント
- 取引先情報を各種SFA/CRMから自動で登録できる
- 検索結果の証跡はAUTORO 反社チェック上だけでなく、Googleドライブなどにも自動で保存できる
オートロ株式会社
AUTORO反社チェックは、取引先の風評チェックやリスクチェック業務を自動化するソリューションです。これにより、1.5時間かかっていたチェックが2分で完了し、担当者は結果を確認するだけでインターネット上の一次スクリーニング調査が完了します。
与信審査をスピーディにシンプル操作-アラームボックス パワーサーチ
アラームボックス パワーサーチでは取引をこれから開始する企業について風評や反社会的勢力との関わりのチェックの他、情報収集なども行えます。過去3年分の風評やリスク情報を赤、黄色、緑の3段階で確認できます。
ポイント
- 与信判断に役立つ情報を手早く入手可能
- 気になる企業の与信情報を無料で1社調べられる(トライアル利用)
アラームボックス株式会社
アラームボックスの「パワーサーチ」は、新規取引先の企業調査や与信審査を効率化するサービスです。取引開始前の風評や反社チェックなど、必要な情報をスピーディに収集できます。
反射チェックを簡単・スピーディーに-RISK EYES
RISK EYESは多くの上場企業にも利用されているサービスです。このツールを活用すれば、反社チェックを簡単、かつスピーディーに行えます。チェックに必要ない情報は自動で排除されるため、確認作業における手間を大幅に削減できます。
ポイント
- 既存取引先、およびステークホルダーの定期チェックを一括で行える
- インターネット上のネガティブな風評をブログや掲示板から検索できる
信頼性の高いビジネス情報をより早くより安く-Gチェッカー
Gチェッカーは約150紙誌、過去30年分の新聞記事、帝国データバンク、東京商工リサーチなど信頼性の高い情報の提供を行っています。反社チェックはもちろん、コンプライアンスチェック、ファクトチェック、取引先の与信調査にも活用できます。
ポイント
- 過去30年、1億件以上の新聞記事を検索できる
- クレカ会員は月会費330円(税込)の基本料と従量料金で利用可能
リスクマネジメントを進化させ事業を加速-sansan
sansanは顧客情報の取り込みを行うことで、ビジネスに潜む取引リスクを自動で検知できます。たとえば、メール署名取り込みではメールから顧客情報を取り込み、今後付き合う相手として問題ないかチェック可能です。
ポイント
- 過去にリスクが発見されなかった企業に対して最新のデータベースで一括チェックできる
- 取り込まれた接点情報を基にして取引リスクを自動でスクリーニングできる
Sansan株式会社
Sansanのリスクチェック機能は、組織全体のリスクマネジメントを強化し、事業を加速するツールです。顧客情報を取り込むだけで、ビジネスに潜む取引リスクを自動で検知します。
コンプライアンスチェックの作業が楽になる-RoboRobo
RoboRoboはコンプライアンスチェックにかかっていた手間を大幅に削減できるクラウドサービスです。取引先が法令を遵守しているか社会規範に反する活動をしていないかチェックできます。新聞記事とインターネット記事を同時に検索できるなど、最低限の手間で確認作業を行えます。
ポイント
- 導入企業は大手企業を含む4000社以上
- Excelにおけるドラッグ&ドロップで取引先を一括登録できる
オープンアソシエイツ株式会社
RoboRoboは、取引先が法令を遵守しているか、企業倫理や社会規範に反する活動がないかを自動でチェックできるクラウドサービスです。取引先の登録はExcelをドラッグ&ドロップで一括登録が可能で、AIが関連する記事を3段階で自動選別します。
迅速・効率的なリスク管理ツール-日経リスク&コンプライアンス
日経リスク&コンプライアンスでは国内にとどまらず、グローバルなリスク情報をカバーしたチェックを行えます。取引先の属性確認に必要な公的地位を有する⼈物、親族関係者、制裁対象者、OFAC50%ルール対象企業など、グローバルなリスク情報との照合も可能です。
ポイント
- ⽇経テレコン、⾃然⾔語処理技術、⽂意解析技術、記事分類技術による国内ネガティブニュースのスクリーニングを実現
- 無料トライアルを利用できる(要問合せ)
株式会社 日本経済新聞社
日経リスク&コンプライアンスは、反社会的勢力の排除を含むコンプライアンスチェックを「早く」「効率的」に行うためのツールです。国内外の取引先に潜むコンプライアンスリスクを特定・監視する情報ソリューションを提供し、多岐にわたる法規制への対応を支援します。
迅速かつ簡単に反社チェックが可能-DQ 反社チェック
DQ 反社チェックは初期費用・月額費用なしで1件につき300円から利用できます。調査のレベルが高く、反社会的勢力との関係の有無はもちろんのこと、犯罪関与、訴訟歴、破産歴などについても調査できます。また、海外の調査にも対応しています。
ポイント
- レポート形式で納品されるため確認作業の手間を省ける
- Liteプランは最短で当日の納品が可能
広範囲なリスク情報を効率的に分析-RiskAnalyze
RiskAnalyzeはWEBサービス(SaaS)型の反社、およびコンプライアンスのチェックを行うツールです。反社・コンプライアンスのチェックは最低限の情報を入力するだけで行えるため、誰でも簡単にチェックできます。
ポイント
- 約700カ所からの公知情報を24時間365日収集できる
- 新聞記事や風評、SNS 情報などを用いてチェックできる
KYCコンサルティング株式会社
「Risk Analyze」は、WEBサービス(SaaS)型の反社チェック・コンプライアンスチェックツールです。新聞記事、風評、インターネット上のニュース記事やSNS情報などの公知情報を用いて、顧客や取引先会社に反社会的勢力との繋がりや犯罪や不祥事への関与などが無いかをチェックします。
明確な定義で反社チェックを実現-minuku
minukuを導入することで、反社会的勢力データベースを活用した反社チェックを実施できます。提供される情報は反社会的勢力対策やコンプライアンス対策の専門家の監修による信憑性の高いものです。また、取引先が反社会的勢力に関わっていないか分析することもできます。
ポイント
- 調査結果はExcelやPDFなどの形式でダウンロードできる
- Googleなどの検索結果をRPAシステムを使って収集できる
株式会社セナード
「minuku」は、株式会社セナードが提供する反社会的勢力データベース検索システムです。反社会的勢力との関連が疑われる取引先や個人について、公知情報を用いて調査を行えます。
視覚的にリスクを把握、反社チェック効率化-反社チェックヒートマップ
反社チェックヒートマップでは企業検索に加えて、反社チェックやコンプライアンスチェック、与信判断指標の確認を行えます。反社ワード記事検索では新聞約50紙、および過去10年分の記事の中から120ワードの記事検索を行い、記事の詳細を確認することも可能です。
ポイント
- リスクモンスターが独自に収集したコンプライアンス情報、および反社関連情報をワンストップで提供
- スマートフォンで検索と参照を行える
リスクモンスター株式会社
「反社チェックヒートマップ」は、リスクモンスターが提供する反社会的勢力チェックサービスです。このサービスは、企業の反社会的勢力との関連をスピーディーに調査するためのツールで、企業検索と同時に反社チェック、コンプライアンスチェック、与信判断指標を提供します。
1ユーザー100件まで無料で利用できる-リスモンかんたんコンプラナビ
リスモンかんたんコンプラナビでは企業が営業先や取引先と安全な取引を実現する上で必要な情報を3つのステップで確認できます。また、企業名や法人番号といった基本情報に加え、株主情報、仕入先企業、販売先企業などの情報も取得できるため営業活動を効率化できます。
ポイント
- 情報は①かんたん企業検索、②企業概要を確認、③一目で分かる企業コンプライアンス情報表示の3ステップで閲覧可能
- 1ユーザー100件まで無料で利用できる
リスクモンスター株式会社
「リスモンかんたんコンプラナビ」は、企業が営業先や取引先と安全な取引を行うために必要な企業情報をシンプルに検索・参照できるスマホアプリです。約30の情報機関から毎日情報を収集し、最新の与信情報や倒産確率・予測情報をタイムリーに提供します。
警察関連情報は国内唯一保有-反社DB 即時検索
反社DB 即時検索は反社会的勢力のデータベース検索エンジンです。警察関連情報を含む情報を検索できる国内最高水準のツールとなっています。また、自分でJCIS WEBDBを用いて検索すれば、USBにExcelファイルなどで保管することで生じるリスクを回避できます。
ポイント
- 日本信用情報サービスが提供する独自の情報の中からチェックできる
- 反社データベースで情報をリアルタイムに検索できる
反社チェックツールを使ってコンプライアンスを守ろう
自社の社会的信頼を守るためにも、これから関係性を結ぶ相手に対する反社チェックは不可欠です。消費者との良好な関係性を維持し、自社の利益を生み出し続けるためにも反社会的勢力と関係をもたないようにしなければなりません。反社チェックツールを活用することで、自社で取引や契約関係を結ぶ人たちが反社会的勢力とかかわっていないか効率的に確認できるようになります。