Webサイトを運営していると「なかなか収益につながらない」「適切なKPIを設定できない」「CVR(コンバージョン率)を上げたい」といった様々な問題に直面します。こうした問題を改善していくのに必須なのがサイト解析ツールです。サイト解析ツールには様々な種類がありますが、本記事ではヒートマップツールについて解説します。ヒートマップツールの特徴やメリットを解説した上で、おすすめのツールを紹介します。
ヒートマップとは
ヒートマップツールとは、サイト訪問者がWebサイトの「どのコンテンツを閲覧しているのか」「どの部分をクリック/タップしているのか」といったユーザーの行動を視覚的に分析できるツールです。
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ヒートマップの名の通り色の濃淡で直感的に判断が可能
ヒートマップは、赤外線サーモグラフィーのように赤から青のグラデーションで色分けされています。赤いエリア(温度が高くなっているように見える箇所)がユーザーの行動が集まっている箇所、青いエリア(温度が低くなっているように見える箇所)がユーザーの行動が少ない箇所といった見方をします。その色分けの分布を、該当ページ上に地図のようなフィルターをかけて示すことになるのでヒートマップと呼ばれているのです。このように、ユーザーの行動がわかりやすく可視化できるので、どこをより強化し、どこを改善しなければならないかがピンポイントで把握できるのです。
ヒートマップツールを導入するメリット
ヒートマップを利用するメリットは、専門知識がなくてもユーザーの動向を簡単に把握できる点にあります。
専門知識がなくとも直感でわかる
一般的なWebサイトのアクセス解析は、Webマーケティングの施策や専門用語、統計学の基礎知識など、ある程度予備知識が必要になってきます。そのような予備知識がない前提で、データを説明するのは至難の技ですよね。そんな状況でも、ヒートマップを使えばビジュアルを通して直感的に理解してもらうことができるので、サイト改善のための予算取りやプロジェクトチームの立ち上げなどで社内の理解を得たり、クライアントに対して適切なコンサルティング行ったりする状況にも役立つのです。
具体的なユーザーの動きの痕跡がわかる
ヒートマップツールではユーザーのクリック、ページでどの場所で滞留したかがわかります。ヒートマップでユーザーの動向を解析することで「閲覧してほしい箇所が見られているか」「流入経路などテスト通りにユーザーが動いてくれているか」といったことも確認することができます。反対に「期待の高かったコンテンツが思うように伸びなかった」「サイト作成者の予想とは異なったコンテンツがよく読まれたていた」といった状況も確認することができます。こうした実際のユーザーの動向がわかると、ページごとに具体的で適正な改善策を導き出すことができるのです。
おすすめのユーザオンボーディングサービス
株式会社STANDS
Onboarding for employeesは、企業の社内システムを使いやすく改善できるサービスです。あらゆる社内システムにポップアップ、ヒント、チュートリアルなどを作成し、直感的に改善することができるため、従業員のシステム定着に貢献できます。
ヒートマップツールを選ぶポイント
ヒートマップツールと一口に言っても、様々な種類があります。以下にツールを選ぶ上で注目すべきポイントを解説します。
料金設定
まずは料金設定です。ヒートマップツールには無料で利用できるものから、高度な機能を搭載した有料のものまであります。登録サイト数、登録URL数、計測可能なPV数の上限、使用可能アカウント数、データの閲覧可能期間などによって料金設定が変わるケースが多いです。有料のツールでもトライアル期間や無料プランが提供されているものも多いので、導入コストを抑えたい場合などはチェックしておきましょう。
自社の目的に合った機能が搭載されているか
ヒートマップも「閲覧箇所」「滞在時間」「クリック/タップ」「スクロール」「離脱箇所」など可視化したい内容によって様々な種類があります。ユーザーの行動のうち、どの部分に着目したいかというのは、コーポレイトサイト、ECサイトなどサイトの種類によっても異なってくるでしょう。例えば、オウンドメディアであれば、記事のどこまで読まれたか、どこでユーザーが記事の離脱したのかを確認できる機能が充実したツールを選ぶ方が良いでしょう。自社のサイトの目的に適ったヒートマップ機能が搭載されているかを確認することが大切です。
ヒートマップを活用して何をサポートしていてくれるのか
ヒートマップの解析だけでなく、それを活用して何を実現してくれるのかを確認しましょう。「コンバージョンの最適化」「UXの最適化」「LPの最適化」などヒートマップ解析行った上で何を目指すのかといったコンセプトはツールによって異なります。既存のサイトのコンテンツ改善点を探りたい場合と、サイトのリニューアルのための調査では選ぶツールも変わってくるので注意しましょう。
ヒートマップのデータ保持期間
データの保持期間はツールによってことなります。数年にわたる長期間のデータ測定を実施したい場合や、長期間データをアーカイブしておきたい場合などは、保持期間が長いツールを選択しましょう。
計測可能なPV数の上限
多くのツールで計測可能なPV数の上限が設定されています。すでに多くのPV数を得ているサイトを分析にかける場合は、PV数の上限についてもチェックしておきましょう。場合によっては上位の有料プランに加入することも検討が必要です。
ヒートマップツールそのものの使いやすさ
ログイン方法や管理画面が実際に運用していくスタッフにとって使いやすいかどうかも確認しておきましょう。また、ヒートマップ機能のみのツールと、その他の分析機能もセットになって搭載されているツールがあります。他に分析ツールを利用いない場合は、多機能なオールインワンのツールのほうがコストを抑えられるかもしれません。自社における他のツールの利用状況も考慮して選びましょう。
モバイル端末対応
全てのツールがスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に対応している訳ではありません。モバイル端末からのユーザーがメインのWebサイトであれば、ヒートマップもモバイルからの状況もヒートマップにできなければ意味がありません。有料プランに加入することでモバイル端末のヒートマップも閲覧できるツールなどもありますので、事前に確認しておきましょう。
オススメのヒートマップツール
ツールを選ぶポイントがわかったところで、おすすめのヒートマップツールを紹介します。
オールインワン解析ツール-Ptengine(ピーティーエンジン)
ヒートマップだけでなく、コンバージョン分析やセグメント分析といった機能も搭載されているオールインワンの解析サービスです。初心者目線のシンプルなUIデザインなので誰でも使いやすいツールです。無料プランもあるので導入しやすいです。設定も解析コードをサイトに設置するだけでよいので、エンジニアの力を借りずに導入可能です。チャットやサポート用のコンテンツも充実しています。また、データ取得から施策実行まで、Webサイトの改善を一連のサイクルで実行可能です。ヒートマップは、多くの設定は必要なく、タグひとつでページ内の緻密なユーザー分析とページ評価が可能です。クリックやアテンションのヒートマップ、スクロール到達率、クリック定量分析、過去デザイン比較などを分析できます。
ポイント
- ヒートマップ機能を中心に様々な機能が搭載されているオールインワン解析ツール
- クリックやアテンションのヒートマップなど緻密なユーザー分析とページ評価が可能に
- スクロール到達率、クリック定量分析、過去デザイン比較などの機能も搭載
Free:無料
Economy:14,800円/月
Business:29,800円/月
First:49,800円/月
Enterprise:カスタム価格
株式会社Ptmind
PtengineはPtmind社が提供するサイト運営プラットフォームです。ヒートマップツール、ABテストツール、Web接客ツール、サイト制作ツール機能がワンストップで利用できます。分析からサイト運営までをPtengine1つで達成できます。
直感的UI-ミエルカヒートマップ
ミエルカヒートマップは無料から使えるUI/UX改善ツールでユーザー行動の可視化ができます。ページのどこでユーザーが離脱したかがわかる「スクロールヒートマップ」、ページのどこがクリックされたかがわかる「クリックヒートマップ」、ページのどこがよく読まれたかがわかる「アテンションヒートマップ」で分析可能です。直感的UIなので分析しやすく教育コストも抑えられます。ドメイン内の全ページではなく、管理画面に登録したURLだけを分析対象にできるので、見たいページをすぐに呼び出せるのも便利です。また一定のプラン以上はヒートマップコンサルタントによる伴走支援もあるので、成果を出すための活用ノウハウが学べます。
直近だとABテスト機能もリリースしボタンの色やテキストの内容など、どのパターンが最もコンバージョンの増加に効果的か同時でテストできます。
ポイント
- 「スクロールヒートマップ」「クリックヒートマップ」「アテンションヒートマップ」などのヒートマップ解析が可能
- ヒートマップコンサルタントによる導入MTGがある ※特定プラン以上
- シンプルなUIで改善しやすい
無料トライアル:0円/月(期間制限なし)
ミニマム:9,800円/月
ビジネス:19,800円/月
ファースト:49,800円/月
エキスパート:99,800円/月
プロ:149,800円/月
※月額利用料は年間契約と半年契約で価格が異なります。上記は年間契約の料金です。
株式会社Faber Company
ミエルカヒートマップは、ウェブサイトのユーザー行動を可視化するヒートマップツールです。このサービスを使用することで、ウェブサイトのどの部分がユーザーによくクリックされているのか、どの部分を長く見ているのかなどの情報を得ることができます。
ユーザーの動きを可視化-UserHeat(ユーザーヒート)
無料で利用できるヒートマップ解析ツールです。月間30万PVまで分析することができます。訪問者のマウスの動きや滞在時間をもとにページがどのように見られているかを可視化した「熟読エリア」、ページのどこまでを読まれたかを表示する「終了エリア」、ページのどこがクリックされたのか可視化する「クリックエリア」、ページを訪れたユーザーがどのようにマウスを操作したか確認できる「マウスムーブ」、ユーザーがどれくらいスクロールして離脱したかを表示する「離脱エリア」のヒートマップが解析できます。
ポイント
- 無料で利用できるヒートマップ解析ツール
- 「熟読エリア」「終了エリア」「クリックエリア」「マウスムーブ」「離脱エリア」のヒートマップ解析が可能
- 月間30万PVまで分析できる
株式会社ユーザーローカル
UserHeatは、ユーザーのウェブサイト内での行動を可視化するヒートマップ解析ツールです。訪問者がページのどこを熟読したか、どこをクリックしたかなどをビジュアル分析することができます。
アクセス解析もできる-User Insight(ユーザーインサイト)
ヒートマップ機能を搭載したアクセス解析ツールです。訪問者がよく閲覧しているコンテンツがわかる「熟読エリア」、ユーザーがページのどこまで表示しているのかがわかる「終了エリア」、どのリンクが実際に訪問者の注意を引きクリックされたのかがわかる「クリックエリア」、ページに流入した全てのユーザーのクリック動向を表示する「全クリックエリア」のヒートマップが解析できます。PCはもちろんのこと、スマートフォンやタブレットでのヒートマップも解析できるマルチデバイス対応なので、レスポンシブデザインのサイトでも問題なく利用できます。また、性別や年齢などユーザー属性で絞り込みをしたヒートマップも表示可能です。
ポイント
- 「熟読エリア」「終了エリア」「クリックエリア」「全クリックエリア」のヒートマップ解析が可能
- 性別や年齢などユーザー属性で絞り込みをしたヒートマップも表示可能
- マルチデバイス対応でスマートフォンやタブレットでのヒートマップも確認できる
〜50万PV:50,000円
〜400万PV:100,000円
400万PV超:カスタム価格
※契約期間は6ヶ月で、別途、初期費用として50,000円がかかります。
株式会社ユーザーローカル
User Insightはユーザーローカル社が運営するヒートマップ機能を搭載したアクセス解析ツールです。主にサイトのパフォーマンスを分析したい運用担当者やマーケター向けのツールです。User Insightを使うと通常のアクセス解析に加えて、 ヒートマップによるユーザー行動の可視化ができます。
高機能のWebサイト分析ツール-Mouseflow(マウスフロー)
ヒートマップ機能も搭載された高機能のWebサイト分析ツールです。クリック/タッチ、マウスの移動、スクロールなどを計測できる「クリック・ムーブメントヒートマップ」、ページのどの部分が最もユーザーに見られ、アクションを誘発したかを表示できる「スクロール・アテンションヒートマップ」による解析が可能です。ヒートマップ機能の他にも、セッションリプレイ、ファンネルズ、フォーム分析などの機能が搭載されています。無料トライアルプランも用意されているので、導入しやすいツールです。100,000社以上の企業に導入されている人気ツールです
ポイント
- 「クリック・ムーブメントヒートマップ」「スクロール・アテンションヒートマップ」のヒートマップ解析が可能
- セッションリプレイ、ファンネルズ、フォーム分析などの機能も搭載
- 100,000社以上の企業に導入されている人気ツール
無料プラン:0円/月
スタータープラン:3,029円/月
グロースプラン:10,342円/月
ビジネスプラン:20,789円/月
プロプラン:41,682円/月
※1年契約にすると価格がお得になります。上記は通常の月額料金です。
株式会社APOLLO11
Mouseflow(マウスフロー)は、ユーザーがウェブサイトをどのように利用しているかを明確にするユーザー行動分析・アナリティクスツールです。サイト内での行動に応じてAIが自動でセグメント化し、ユーザー行動の"何故"を明らかにします。機能としては、ファネル&レコーディング機能、ヒートマップ、フォーム分析機能(EFO)、アンケート機能、通知機能などがあります。
Webサイトの解析から改善までを一元化-SiTest(サイテスト)
ヒートマップ機能も搭載したWebサイトの解析から改善までを一元化することを可能にしたLPO(ランディングページ最適化)ツールです。サイト訪問者の滞在時間が視覚化できる「スクロールヒートマップ」、サイト訪問者のマウスの動きをサーもグフィのように表示する「マウスグラフィ」、ページ上でクリック/タップが発生した位置を視覚化する「クリック/タップヒートマップ」、スマートフォン/タブレットを使用している訪問者のスワイプ・フリック・ピンチイン・ピンチアウトといった動作の発生した位置を視覚化できる「タッチアクション」といった解析機能が搭載されています。また、ヒートマップ解析のロジックを強化する「スクロールデータ」「クリック/タップデータ」といった定量データ解析機能も搭載されています。さらに「期間比較機能」「セグメント比較機能」といったヒートマップ解析・定量分析を深掘りする比較機能も搭載されています。
ポイント
- LPOを目的としたヒートマップ機能を含む解析ツール
- 「スクロールヒートマップ」「マウスグラフィ」「クリック/タップヒートマップ」「タッチアクション」のヒートマップ解析が可能
- 定量データ解析機能やヒートマップ比較機能も搭載
通常版:カスタム価格(問い合わせて見積もり)
Lite版(ヒートマップ機能のみ/個人事業主向け):8,500円/月
※無料トライアルあり
株式会社グラッドキューブ
SiTestは、ウェブサイトのユーザビリティやコンバージョン率を向上させるための分析ツールです。このサービスは、ウェブサイトの訪問者の動きをリアルタイムで可視化し、ヒートマップやセッションリプレイなどの機能を提供しています。特に、ECサイトやLPの運営者、マーケティング担当者など、ウェブサイトの改善を目指すビジネスパーソンに向けたサービスとなっています。
Microsoftが提供-Microsoft Clarity(マイクロソフト クラリティ)
Microsoft Clarity(マイクロソフト クラリティ)はMicrosoftが提供する無料で使えるヒートマップツールです。インスタントヒートマップ、セッション記録などの機能があります。リーズナブルで、簡易的にスピーディに利用ができるヒートマップツールです。
日本マイクロソフト株式会社
Microsoft Clarityは、実際のユーザーがあなたのサイトをどのように使用しているかを把握するための無料で使いやすいツールです。セットアップは簡単で、すぐにデータを取得できます。
おわりに
サイトの改善というと、リニューアルや新規コンテンツ作成に目が行きがちですが、すでにあるページやコンテンツをブラッシュアップしていくことも非常に大切です。ボタンの位置や記事のタイトルを変更するだけでも、ユーザーの動向が変わります。そうした改善点をピンポイントで抽出できるのがヒートマップツールです。サイトの解析は、そのデータを活用して改善や最適化といった次の施策につなげていくことで、初めて意味を持ちます。解析ばかりに時間をかけて、次の行動になかなか移れないのであれば本末転倒です。ヒートマップツールを使えば、直感的にサイトの状況を把握できるので、解析にかける時間的なコストを削減し、作業効率をアップすることも期待出るのです。無料で使えるツールもあるので、本記事を参考にして、まずは導入を検討してみてはいかがでしょうか。