新入社員向けの教育や、業務効率化に向けた取り組みとしてマニュアル化は大切です。しかし、マニュアルを作成するだけでも多くの時間が必要となるだけでなく、イメージ通りにマニュアルを作成できないと悩まれている方も多いのではないでしょうか。そこで、今回の記事では、社内マニュアル作成ツールを導入するメリットや選び方のポイントを解説します。おすすめの社内マニュアル作成ツール5選をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
社内マニュアル作成ツールとは?
社内マニュアル作成ツールとは、自社業務のマニュアル作成をサポートしてくれるソフトウェアです。働き方改革や生産性が重視されるなかで、従業員が効率的に仕事に取り組めるようにマニュアルを作成する必要が出ています。とはいえ、マニュアル作成自体に、手間がかかってしまっては意味がありません。そこで、社内マニュアル作成ツールを使用することで、これまで手作業で行ってきたマニュアル作成業務の簡素化が可能です。
本記事の読者におすすめのマニュアルツール
社内マニュアル作成ツールを使用する3つのメリット
社内マニュアル作成ツールは、業務の効率化だけでなく、さまざまなメリットを享受できます。具体的にどのようなメリットを得られるのかを解説します。
メリット1.マニュアル作成業務の効率化
1つ目のメリットは、冒頭でも解説したとおり、マニュアル作成業務の効率化につながる点です。従来、マニュアルを作成する場合、WordやPowerPoint、メモツールなどを用いて、一からデザインを決めながら作成しなければなりませんでした。
一方で、社内マニュアル作成ツールには、豊富なテンプレートが用意されており、白紙の状態から作成する必要がありません。マニュアルを作成する時間を短縮し、ほかのメインとなる業務に時間を割り当てられるようになります。
メリット2.マニュアルの保存・随時更新がスムーズに行える
社内マニュアル作成ツールを用いると、作成したマニュアルの保存や更新もスムーズに行なえます。ソフトウェア上に保存しておけるため、定期的にマニュアルの内容を見直したり、過去のマニュアルをもとに新しいマニュアルを作成したりすることが可能です。
また、クラウド型のツールであれば、同じチームや部署に所属するメンバーでの共有も便利になります。業務のノウハウ、ナレッジを蓄積していくなかで、既存のマニュアルに追加できます。
メリット3.デザインやUIが整ったマニュアルを作成できる
社内マニュアル作成ツールは、専用のテンプレートやフォーマットが用意されているのもメリットです。たとえば、新入社員用の業務マニュアルを作成する場合、テンプレートを用いて、仕事を完遂するまでのプロセスや注意点などを分かりやすいように作れます。
さらに、専用ツールはUIが整っているため、初めてマニュアルを作成する方や、パソコン操作が不慣れな方でも安心です。操作性に優れているツールを選べば、作業効率の向上にもつながります。
わかりやすいマニュアルを作成する3STEP
誰でもわかりやすいマニュアルを作成するためには、正しい手順を取るようにしましょう。そこで、マニュアル作成時に、知っておきたい3つのステップを紹介します。
STEP1.マニュアルを作成する目的と読み手を決定する
まずは、マニュアルを作成する目的と読み手を決定することです。具体的には、新人研修用のマニュアルや、管理職向けのマニュアルなど、どのような目的でマニュアルを作成するのかを決めます。読み手が決まったあとは、相手の立場を考えましょう。マニュアルを使って初めて業務を行ったり、新たな知識を身に付けたりする人の気持ちを理解することで、マニュアル自体の価値を高められます。
STEP2.目次や大枠を作り、詳細を詰める
次に、マニュアル全体の目次や大枠をまとめましょう。大枠を決めないままマニュアルを作成すると、読み手が混乱し、理解度にも悪影響を及ぼしかねません。そこで、マニュアルの骨組みを作り、記述する内容をリストアップしてみてください。このとき、主観的にならないように、マニュアル作成者だけでなく、周りの意見を取り入れることも大切です。
STEP3.作成したマニュアルを運用し修正する
最後に、実際に現場でマニュアルを運用するなかで、必要に応じて適宜修正を加えていきます。たとえば、作成したマニュアル内にわかりにくい言葉や、業務プロセスに誤りがある場合、早急に修正しなければなりません。
なお、マニュアルの完成度を高めるためには、読み手からフィードバックをもらうようにしましょう。フィードバックに沿って修正を繰り返すことで、わかりやすいマニュアルを作成できます。
わかりやすいマニュアルを作成する3つのコツ
わかりやすいマニュアルを作成するには、3つの手順に加えて、コツを意識することも大切です。次の3つのコツを意識しながら、マニュアル作成に着手しましょう。
コツ1.誰でもわかる言葉を使って書く
1つ目のコツは、誰でもわかる言葉を使うようにすることです。難しい言葉を使ってしまうと、期待していた理解度を達成できない可能性があります。とくに、新入社員向けや、新しく業務に携わる従業員向けに作成するマニュアルでは、なるべく専門用語の使用は避けてください。どうしても専門用語を使わざるを得ない場合には、専門用語の説明を記載しましょう。
コツ2.文字だけではなく、図や画像・動画も活用する
2つ目のコツは、テキストベースだけでなく、図や画像・動画などを活用することです。テキストだけのマニュアルを作成すると、読み手側でプロセス全体を把握しにくくなる恐れがあります。
また、わかりやすいマニュアルを作成するには、フローチャートを取り入れるようにしましょう。業務の時系列や工程を明確に示すことで、理解度の向上につながります。
コツ3.5W2Hを明確にする
5W2Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どうやって)」「How much(いくらで)」をまとめた言葉です。マニュアルを読む方は、初めて業務に携わる場合がほとんどです。「誰に承認をもらえばよいのか」「なぜこのステップが必要なのか」「どうやって仕事を進められばよいか」といった疑問が生じる可能性があります。
このような疑問を解決するためにも、マニュアル内で細かく解説することが重要です。作成者である自分が初めて仕事に取りかかることをイメージし、疑問に感じることをまとめておきましょう。
社内マニュアル作成ツールを選ぶ際のポイント
多くのメリットを得られる社内マニュアル作成ツールですが、選び方に注意する必要があります。最適な社内マニュアル作成ツールを導入できるように、4つのポイントを紹介します。
ポイント1.使いやすいUIかつ、デザイン性がよいか
社内マニュアル作成ツールは、日常的に使用するものであることから、UI(ユーザーインターフェース)やデザイン性を重視してみてください。どんなに機能性が充実していても、操作性やデザインに問題がある場合、業務効率を低下させる原因になり得ます。また、ITツールの操作が苦手な従業員でも使いこなせるように、ワンタッチでマニュアルを作成できるものや、視覚的に操作しやすいツールを選ぶようにしましょう。実際に導入する前に、無料トライアルで確かめることも必要です。
ポイント2.必要な機能があるか
社内マニュアル作成ツールを導入する目的を達成するためにも、機能面をチェックしておきましょう。まずは、社内マニュアル作成ツールで実現したいことをリストアップし、条件に合致するツールを選定します。たとえば、利便性を重視する場合には、テンプレートが充実しているツールや、社内共有できるツールを選ぶのがおすすめです。一方で、最低限のテンプレートがあれば問題ない方は、コストパフォーマンスも含めて、シンプルな機能だけを備えたツールも候補に入れてみてください。
ポイント3.使い続けられる料金か
一般的に、ほとんどの社内マニュアル作成ツールは、月額料金制を採用しています。つまり、長期的に運用することを踏まえて、1ヶ月単位でかかる費用を計算しなければなりません。また、搭載している機能や使用するユーザー数、ストレージ容量などに応じて料金も変わります。あらかじめ予算を設定しておき、各ツールの料金を比較しながら選定しましょう。
ポイント4.マニュアル作成ツールサイトのサポートはあるか
マニュアル作成ツールの機能を最大限活かせるように、サポート体制の有無にも注目してみてください。たとえば、チュートリアルでの説明や、Q&A形式で疑問を解決できるものがあると安心です。一部のツールでは、利用者向けのセミナーを実施していることもあります。操作性や、使用上のトラブルが気になるという方は、サポート面を重視しましょう。
おすすめの社内マニュアルツール5選
それでは、おすすめの社内マニュアルツール5選を紹介します。前述した4つのポイントを踏まえながら、自社にとって最適なツールを選びましょう。
社内マニュアルツール1.NotePM
NotePMは、検索機能に強みがある社内マニュアル作成ツールです。Word、Excel、PDFなどファイルの中身まで全文検索し、必要なマニュアルをすぐに探し出せます。また、テキストベースのマニュアルだけでなく、動画マニュアルの作成・共有にも対応しており、読み手の理解力向上につながります。
ポイント
- 強力な検索機能で該当ファイルをすぐに探せる
- 動画マニュアルの作成と共有に対応
- 月額4,800円〜(初期費用、サポート費用は無料)
株式会社プロジェクト・モード
NotePM(ノートピーエム)は、全国で5,000社以上の登録実績を誇る社内wikiツールです。社内マニュアルや議事録などの社内情報や業務ノウハウなどのナレッジを一元管理し、業務効率化・組織パフォーマンスを向上させます。
社内マニュアルツール2.Notion(ノーション)
Notion(ノーション)は、利便性を重視する方におすすめの社内マニュアル作成ツールです。数千種類のテンプレートを用意しており、ワークフローや業務の計画表など用途に合わせて選べます。ドラッグ&ドロップで、マニュアル内の各項目を自由に入れ替えられるのも便利で、
ポイント
- 数千種類にも及ぶテンプレートを準備
- ドラッグ&ドロップで編集も簡単に
- 無料版あり、有料版は4ドル〜
本記事ではドキュメント管理×ナレッジ共有×タスク管理を1つで行うことができる多機能なナレッジ管理ツール「Notion(ノーション)」について解説します。本記事を読むことでNotionの基本知識や具体的な使い方について理解を深めることができま[…]
Notion Labs, Inc.
Notionはドキュメント管理・ナレッジ共有・タスク管理を1つで行うことができる多機能なナレッジ管理ツールです。
社内マニュアルツール3.VideoStep(ビデオステップ)
ポイント
- 動画を使ってマニュアル作成ができるサービス
- 音声をAIで文字起こししたり、多言語音声吹き込みも可能。多様性のある組織にも適している。
- 料金は要問い合わせ
社内マニュアルツール4.toaster team(トースターチーム)
toaster team(トースターチーム)は、翻訳機能を搭載しているのが特徴です。たとえば、日本語がまだまだ不慣れな外国人従業員向けに、母国語での教育機会を与えられます。また、サポート体制も充実しており、専任スタッフによる電話・メールでの対応に加え、サポートデスクと直接つながるチャットも設置しています。
ポイント
- 自動翻訳機能で外国人従業員向けの教育が可能
- 充実したサポート体制で導入後も安心
- 初期費用10万円、月額3.5万円〜
社内マニュアルツール5.COCOMITE(ココミテ)
COCOMITE(ココミテ)では、フォルダやファイルの共有リンクを作成し、読み手に対して必要な部分の情報だけを届けられます。また、タグ絞り込み、キーワード検索も可能で、スピーディーに目的の情報を入手できます。パソコンはもちろんのこと、スマートフォン、タブレットからの閲覧にも対応しており、テレワークにも便利な社内マニュアル作成ツールです。
ポイント
- 必要な情報だけを読み手に届けられるリンク機能
- テレワークに便利なマルチデバイス対応
- 月額22,000円〜(30日間無料トライアル付き)
コニカミノルタ株式会社
COCOMITEは、レイアウトに沿って入力するだけで、誰にでも分かりやすいマニュアルを作成できるマニュアル運用ツールです。タグ絞り込み、キーワード検索等のスピーディーに目的の情報を入手するための機能や、フォルダやファイルの共有リンクを作成する等の便利な機能が備わっています。円滑なナレッジの共有により、業務効率化・生産性向上・従業員満足度向上を目指したい方にはおすすめのツールです。
社内マニュアルツール6.tebiki(テビキ)
tebiki(テビキ)は、動画マニュアルを作成するためのツールです。スマホを使って動画を撮影すると、音声自動認識機能によって字幕が生成されます。100ヶ国以上の言語にも対応しており、外国人従業員の研修や作業工程のマニュアル作りにも活用できます。
ポイント
- スマホを使って簡単に動画マニュアルを作成できる
- 音声自動認識による字幕作成に対応
- 100ヶ国以上の言語に翻訳可能
Tebiki株式会社
tebiki(テビキ)は動画マニュアル作成ツールです。スマホで動画を撮影するだけで、音声認識システムにより字幕が自動生成されます。シンプルで使いやすいソフトになっているため、導入すれば誰にでも簡単に動画マニュアルを作成できます。
社内マニュアルツールを活用して、社内のナレッジを蓄積しよう
社内マニュアル作成ツールの導入によって、これまで手間がかかっていたマニュアル作成業務の効率化につながります。また、ツールを導入するだけでなく、読み手側の理解度を高めるために、専門用語を避けたり、図や画像、5W2Hを意識したりすることも意識してみましょう。社内マニュアル作成ツールを選定する際には、用途に応じて必要な機能が備わっているか、サポート面などをじっくりと比較してみてください。無料トライアルも試しながら、自社に最適なツールを見つけましょう。
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